全般不安症(不安神経症)の第1選択薬としてのプレガバリン(リリカ®)の可能性

全般不安症の第1選択薬としてのプレガバリンの可能性〜メタ解析
知らない話なので自分用のメモです。以下は、記事の抜粋です。


全般性不安症(GAD)は、近年有病率が増加している精神疾患の1つである。GADは未診断のケースも多く、患者本人、医療制度、社会に対し悪影響を及ぼす可能性がある。不安症状の軽減に対し疼痛治療薬であるプレガバリンによる治療が有望であることが示唆されている。しかし、その有効性を評価し、他の治療オプションと比較するためには、さらなる研究が必要とされる。

スペインのNarcis Cardoner氏らは、GAD治療におけるプレガバリンの有効性、安全性、最適な投与量を評価するため、メタ解析を実施した。

プレガバリン治療患者を介入群とし、対照群にはベンゾジアゼピン、SSRI、SNRI、プラセボが投与された患者が含まれた。有効性および安全性は、各種評価尺度と有害事象を用いて評価した。対象研究には、ランダム化臨床試験を含めた。4つの主要なデータベースより検索した。

主な結果は以下のとおり。

・14研究、4,822例を分析に含めた。
・プレガバリンは、治療期間を通じて、ハミルトン不安評価尺度低下に対する有効性が認められた。
・プレガバリンは、同不安評価尺度に対する反応率が高かった。
・プレガバリンは、臨床全般印象度の改善度の改善が良好であり、反応率も高かった。
・治療中止率は低かった。
・有害事象は、さまざまな用量のSSRI、SNRI、ベンゾジアゼピンよりも良好であった。
・プレガバリン治療は、費用対効果のより高い治療であった。

著者らは「プレガバリンは、GADに対し効果的かつ忍容性の高い治療薬であり、他の第1選択薬と比較し、優れた有効性および安全性を示す」と結論付けている。


全般性不安症(GAD)は、日常生活のさまざまな出来事に対して過剰な不安や心配が半年以上持続する精神疾患です。不安障害の一種で、「不安神経症」とも呼ばれます。現在のところ、全般性不安症の治療には、薬物療法と心理療法が基本とされており、薬物としては、抗不安薬(ベンゾジアゼピン誘導体)が主に使われています(記事をみる)。

プレガバリンは、商品名「リリカ」としてファイザーが製造・販売しています。日本では2010年より、神経障害性疼痛に用いられていますが、EUではてんかん、全般性不安障害 の承認もあるそうです。この記事をみると依存性があるとわかっているベンゾジアゼピンよりも良さそうですが、どうなんでしょうか?

高津心音メンタルクリニックのHPより

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