タバコを1本吸うごとに寿命が22分縮む?
以下は、記事の抜粋です。
紙巻きタバコを1本吸うごとに寿命が最大22分短縮する可能性のあることが、英国の喫煙者の死亡率データに基づく研究で明らかにされた。この結果は、1日に20本入りのタバコを1箱吸うと、寿命が7時間近く縮む可能性があることを示唆している。
今回、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のSarah Jackson氏らは、1996年の女性の1日当たりの喫煙本数(平均13.6本)を考慮してタバコを1本吸うごとに失われる寿命を算出した。その結果、男女全体では20分、男性では17分、女性では22分と推定された。
また、喫煙の有害な影響は累積的であり、禁煙を早期に始めて喫煙本数を減らせば減らすほど寿命は長くなることも示された。例えば、1日10本のタバコを吸う人が2025年1月1日に禁煙を始めると、1月8日までに1日分、2月20日までに1週間分、8月5日までに1カ月分、年末までに50日分の寿命を守ることができることになるという。60歳の喫煙者の健康状態は、非喫煙者の70歳の健康状態に相当することになると研究グループは述べている。
Jackson氏は、「これらの結果は、20代か30代前半までの早い時期に禁煙した人の平均寿命は、喫煙未経験者と同等に近付く傾向があることを示している。しかし、年齢を重ねるにつれて、禁煙しても取り戻せないほど少しずつ寿命が失われていく。禁煙時の年齢に関係なく、禁煙することで喫煙を続けた場合よりも平均寿命は確実に長くなる」と述べている。
喫煙率は1960年代から減少しているが、米疾病対策センター(CDC)によると、喫煙は依然として米国における予防可能な死因の第1位であり、毎年48万人以上の米国人が喫煙により命を落としている。喫煙は寿命に影響を及ぼすだけでなく、免疫系にも悪影響を及ぼす。喫煙は免疫反応を弱め、感染症、がん、自己免疫疾患に対する脆弱性を高めることが示されている。
元論文のタイトルは、”The price of a cigarette: 20 minutes of life?(タバコ1本の値段:命の20分?)”です(論文をみる)。
なかなか衝撃的なタイトルの論文で、海外では多くのニュースに取り上げられています。喫煙者を減らす効果に期待しましょう。
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