木の上で交尾するクマ、初の報告、さらに衝撃的な行動も…南米のメガネグマに初めてカメラを装着、驚きの新たな発見が続々
以下は、記事の抜粋です。
南米に生息する唯一のクマであるメガネグマ(Tremarctos ornatus)にビデオカメラを装着して行動を調べたところ、木の上で交尾をする映像が確認された。これは、クマ全体で初めての科学的な報告だ。
4カ月間にわたって撮影された数々の動画の中で、「クリス」と名付けられたオスのメガネグマは、論文の著者であるルースメリー・ピルコ・フアルカヤ氏のチームのメンバーを、かつてない数々の冒険へと連れ出してくれた。
ピルコ氏は、年齢7~8歳のクリスが川を泳いでいるときの映像を見ては喜びの声を上げ、クリスが果物、パイナップルの仲間、昆虫、さらには刺のあるイラクサまでを貪る姿を興味深く見守った。
そして2023年12月18日、1時間ごとに15秒間だけ記録される動画に、一頭のメスのメガネグマが登場しはじめた。ピルコ氏らは、2頭のクマがペルー南東部のアンデスの山腹でまる1週間、行動を共にする様子を見守った。2頭は互いに社交的なやりとりをしたり、隣り合って眠ったりといった求愛行動を行い、最終的には8本の別々の動画によって、メガネグマの交尾行動の証拠が初めて確認された。
いちばんの発見は、メガネグマはどうやら、樹上でバランスを取りながら交尾をするらしいということだった。国際自然保護連合(IUCN)が危急種(vulnerable)に指定しているメガネグマは、南米の山岳地帯原産で、生息場所の環境や高度はさまざまだが、彼らが最もくつろいだ姿を見せるのは木の上だ。
このほか、樹上生活の特徴としては、木登りがしやすい鋭く曲がった爪や、林冠に大きな足場を作る能力などがあり、クマはそうした足場を睡眠と安全確保のために利用する。
ある動画では、クリスが土か粘土のようなものを食べていた。「土食」と呼ばれるこの行動は、これまでにヒグマ(Ursus arctos)で確認されており、おそらくは下痢を予防するためだと考えられている。しかし、メガネグマでこうした行動が見られた例はなかった。
カメラの映像にはまた、首輪をしたクリスがハイイロウーリーモンキー(Lagothrix cana)を食べている様子が映っていた。おそらくは地上で見つけたサルを樹上に運び上げたものと見られる。
「最も衝撃を受けたのは、クマが何かを食べている動画を再生していたときでした」とピルコ氏は言う。何が映っているのかよくわからなかったため、動画をもう一度再生した。「そのとき、それが実はクマの赤ちゃんだと気づいたのです」。これはメガネグマにおいて初めて確認された子殺しのケースかもしれない。
一部の動物では、オスが同種の赤ん坊を殺して母親の発情を促すことがある。首輪をしたクリスが赤ん坊を食べるのが目撃されたのは交尾行動のちょうど1カ月前であり、子殺しの理由はそこにあった可能性もある。
元論文のタイトルは、「アンデスクマの目を通して 絶滅の危機に瀕する南米のクマ科動物の生態をカメラ首輪から探る」です(論文をみる)。
Wikiによると大人のメガネグマは体重110㎏、対象1.8mに達するそうです。木の上で交尾するのは確かに驚きです。興奮しすぎて落下することはないのかなどと考えました。興味のある方は元記事の動画をみてください。想像力が必要です。
以下は、YouTubeにアップされた別の動画です。交尾の場面はありません。
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