高齢者の転倒は認知症リスクを高める
以下は、記事の抜粋です。
高齢者での転倒は、転倒後1年以内に認知症の診断を受けるリスクの上昇と関連することが、高齢の外傷患者200万人以上を対象にした後ろ向きコホート研究により明らかになった。
ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のMolly Jarman氏らの研究グループは、転倒は高齢者が外傷センターに入院する最も一般的な理由の一つであり、高齢者での主な外傷の原因だと指摘する。近年の研究により、アルツハイマー病および関連認知症(ADRD)の前段階とされる軽度認知障害の高齢者において転倒リスクが増加しているとするエビデンスが増えつつある。しかし、転倒を経験した高齢者において認知症リスクが高まるのかどうかについては明らかになっていない。
Jarman氏らは、2014年から2015年の間に外傷を負った66歳以上の高齢者245万3,655人(女性62.1%、平均年齢78.1歳)のメディケア請求データと、1年以上経過した後の追跡データの調査を行った。
外傷の原因としては、50.1%を転倒が占めていた。解析の結果、転倒が原因で外傷を負った高齢者では、それ以外の原因により外傷を負った高齢者と比べて、転倒から1年以内にADRDの診断を受ける者が有意に多いことが明らかになった(10.6%対6.1%、P<0.001)。死亡の競合リスクを考慮した後も、転倒を経験した高齢者では認知症の診断を受けるリスクが21%有意に増加することが示された。
研究グループは、転倒後に治療のために病院に行く高齢者に対し、救急外来や病院で認知機能検査を受けることを推奨している。
元論文のタイトルは、「高齢者の転倒による傷害後に認知症と診断されるリスク」です(論文をみる)。
骨折で寝たきりになったから認知症になるという通説がありますが、私は認知症になると転倒しやすくなるのだと思っています。いずれにしても、親が転倒したら認知症を疑いましょう。
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