「日本の若い人は科学者にならない方が良い」を読んで

日本の若い人は科学者にならない方が良い

著者の武田邦彦氏は、原発問題でこれまでいろいろな意見を発信して来られた方で、その中には同意できないと思うものもありました。しかし、この記事を読んで、この方のブログ記事をそのまま読んではいけないということがわかった気がします(間違っているかもしれません)。以下は、その後半部分の抜粋です。


確かに科学は人の魂を揺さぶり、やりがいのある仕事ですが、これほど日本社会が硬直化し、バッシング社会になり、論理が通らないので、すでに限界を超えていると思います。「研究のような感じで研究ではない」という普通のことならなんとかできますが、「新しい分野」を拓こうとすると、その経験がなく、自分の仕事が暇で、他人を批判するのが生きがいという人が大量にいますので、つぶされてしまうでしょう。

高校生、大学生でこれから科学者になろうとしている人は、時代が悪いので、やめた方が良いと私は思います。悲惨な目にあいますから。実験をしたり、論文を書いたりした経験があるとわかるのですが、それも未知の分野のものの場合、その苦労、失敗、ミスは多いのです。

まだ、ケアレスミスしかわかっていないのに、「稀代の詐欺師」などともいう人がいます。本当に若い人にとっては人生を失うかも知れず、進路としては危険がありすぎると思います。


私には、「科学者の生活はこんなにヒドイ、危ない、得にならない」と言いながら、言外には最初に書かれている「人の魂を揺さぶり、やりがいのある仕事」への愛情が感じられます。

日本人研究者の多くがトップの研究組織であると認める理研や東大での不正事件の頻発や、世界中の研究者が掲載を夢見るNatureなどの科学雑誌での多くのねつ造や再現性のない論文の存在、さらにはそれでも「研究のような感じで研究ではない」ことをやってうまく生き残っている「科学者」に対する怒りが、武田先生にこのような記事を書かせたのでしょう。

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