帯状疱疹生ワクチン、接種10年後の効果は?
以下は、記事の抜粋です。
50歳以上の帯状疱疹に対する生ワクチン接種は有効であり、その効果は接種から1年間が最も高く、その後は時間の経過とともに大幅に減少するが、10年以降にもある程度の効果が残存することが、Nicola P. Klein氏らの調査で示された。
解析には、カイザーパーマネンテ北カルフォルニアの2007年1月1日~2018年12月31日のデータを用いた。年齢50歳以上の150万5,647人を、937万9,685人年追跡した。
主要アウトカムは、帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、眼部帯状疱疹、帯状疱疹による入院の予防におけるワクチンの有効性とした。
150万5,647人のうち50万7,444人(34%)が帯状疱疹生ワクチンの接種を受けた。研究終了までに、60~69歳と80歳以上は60%以上が、70~79歳は80%以上がワクチン接種を受けたが、50~59歳の接種率は5%未満と低かった。
10年後の帯状疱疹防御効果は15%に
7万5,135人が帯状疱疹を発症し、このうち4,982人(7%)で帯状疱疹後神経痛、4,439人(6%)で眼部帯状疱疹を認め、556人(0.7%)が帯状疱疹により入院した。これらのアウトカムに関するワクチンの効果は、以下のように、接種から1年間が最も高く、経時的に大幅に低下した。
ワクチンの帯状疱疹の発症に対する有効率は、1年目の67.2%から10~<12年後には14.9%へ、帯状疱疹後神経痛に対する有効率は、1年目の83.0%から10~<12年後には41.4%へと漸減した。
また、ワクチンの眼部帯状疱疹に対する有効率は、1年目は70.6%であったが、5~<8年後には29.4%へ、帯状疱疹による入院に対する有効率は、1年目は89.5%であったが、5~<8年後には52.5%へと低下した。
全追跡期間における全体のワクチン有効率は、帯状疱疹の発症に対しては45.7%、帯状疱疹後神経痛では62.3%、眼部帯状疱疹では44.5%、帯状疱疹による入院では65.9%であった。
本研究により、これらに加えて眼部帯状疱疹と帯状疱疹による入院のリスクを低減させるのに有効であることがわかった。
元論文のタイトルは、”Effectiveness of the live zoster vaccine during the 10 years following vaccination: real world cohort study using electronic health records(接種後10年間の帯状疱疹生ワクチンの有効性:電子カルテを用いた実世界コホート研究)”です(論文をみる)。
日本では以下の表のように、生ワクチンは10年したら効果は消失するとして、シングリックス®を宣伝してますが、日本製のワクチンがアメリカのものと同等の性能があるのであれば、ある程度の効果は期待できそうです。ちなみに、私は最近生ワクチンを打ってもらいました。
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