座位時間を減らすと腰痛の悪化を防げる
以下は、記事の抜粋です。
ソファや椅子に座って過ごす時間を短くすることは、腰痛の悪化を防ぐ効果的な方法であるかもしれない。腰痛リスクのある人が6カ月間、毎日わずかでも座位時間を減らすことで、腰痛の悪化を抑えられる可能性を示唆した研究結果が報告された。
トゥルク大学(フィンランド)のJooa Norhaらは、過体重または肥満でメタボリックシンドロームを有する40〜65歳の成人64人を対象に、6カ月にわたる座位時間を減少させる介入が腰痛と腰痛関連の障害、傍脊柱筋(脊柱起立筋と横突棘筋)のインスリン感受性(グルコース取り込み)および脂肪含有率に及ぼす影響を調べた。対象者のうち、33人は座位時間を毎日1時間減らすことを目指す群(介入群)、残る31人は通常通りに過ごす群(対照群)にランダムに割り付けられた。
その結果、対照群では介入群に比べて腰痛の強度は有意に増加していたが、介入群では変化が認められなかった。
Norha氏は、「本研究の対象者は、座位時間が長く、運動をほとんど行わない、やや体重の増えたごく普通の中年成人だった。これらの要因は、心血管疾患のリスクだけでなく腰痛リスクも高める」と話す。
ただし、活動量を増やすことで腰痛が抑制されるメカニズムは明らかにされていない。本研究では、対象者の背筋のMRI検査が実施されたが、「腰痛の変化と、背筋の脂肪量や糖代謝の変化との間に関連は認められなかった」とNorha氏は説明している。
元論文のタイトルは、「座位行動の減少が腰痛、傍脊柱筋のインスリン感受性、筋肉脂肪率に与える影響とそれらの関連性:6 か月間のランダム化比較試験の二次分析。」です(論文をみる)。
腰が痛いときは座りたくなるかもしれませんが、我慢した方が良さそうです。電車で太って腰が痛そうな中年を見かけたら、「座らない方が身体に良いですよ!」と声をかけましょう(^^)。
関連記事
健康で長生きしたいなら優先席に座るな
コメント