飲酒時のウコンの効果は?

飲酒時のウコンの効果は?
以下は、記事の抜粋です。


コロナ禍も落ち着き、飲み会が増えてきたかもしれません。医学的にエビデンスがあるのかないのかよくわからないけど、ウコンを飲んでいるという人もいるかもしれません。

クルクミンは、ウコンに含まれるポリフェノールの一種で、これが肝臓によいとされています。クルクミンがアルコールを摂取したマウスの肝臓にどのような影響を与えるか調べた研究が報告されました。

マウスに対してクルクミンとエタノール(アルコール)を注射し、肝臓の組織を顕微鏡で観察したところ、クルクミンがエタノールによる肝障害を保護するどころか、むしろ悪化させている可能性が指摘されました

ウコンはCMで放送されるくらいですから、その効果を支持する報告はもちろんたくさんあります。飲酒前のウコンの有効性を検証した研究では、クルクミンを摂取した場合にアセトアルデヒド濃度の上昇が抑制され、もともとγ-GTPが高い人に対しても肝臓の逸脱酵素の数値を改善させる効果があるという報告もあります。

世の中に「効果がある」と謳われている健康食品の多くは、大規模な臨床試験を行われていないことが問題で、日常的に密接に関わるものなので、もう少し検討してほしいなあと思っています。マウスに対する10の効果がヒトに対しても10であると捉えられていて、1つ1つの事象が飛躍の積み重ねになっている健康食品もあります


元論文のタイトルは、”Negative effects of curcumin on liver injury induced by alcohol.(アルコール誘発肝障害に対するクルクミンの悪影響)”です(論文をみる)。以下は、論文要約の抜粋です。


クルクミンは肝障害における抗炎症作用と抗線維化作用で知られている。しかし、アルコール性肝障害に対するクルクミンの悪影響はほとんど報告されていない。

本研究では、アルコール性肝障害に対するクルクミンの有利な機能と不利な機能の両方が観察された。アルコールによって誘発された肝線維症に対するクルクミンの効果を調べるため、マウスに5%エタノールおよび/またはクルクミン(1×10-3または1×10-4 M)を静脈注射した。

エタノールは、血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の血清レベル、肝障害、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)および核因子κB(NF-κB)の産生を、5%エタノール誘発肝障害の間に促進する。1×10-3 Mのクルクミンは、5%エタノール誘発肝障害の進展の間だけ、肝障害および肝細胞浮腫を促進するが、1×10-4 Mのクルクミンはアルコール性肝障害を引き起こさない(または保護する)。従って、クルクミンはその濃度に応じてアルコール性肝障害に対して二重の効果を有する可能性が示唆される。


要するにウコン少量ではアルコール性肝障害を引き起こさない(または保護する…微妙な表現ですが、、、)が、大量ではアルコール性肝障害を引き起こすので有害だという話です。

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