シメプレビル承認 C型肝炎克服の日は近い?

シメプレビル:副作用が少ない直接作用型抗HCV薬
以下は、記事の抜粋です。


9月27日、C型慢性肝炎治療薬のシメプレビルナトリウム(商品名ソブリアードカプセル100mg)が製造承認を取得した。適応は「血中HCV RNA量が高値の未治療患者およびインターフェロンを含む治療で無効または再燃となった患者におけるセログループ1(ジェノタイプI(1a)またはII(1b))のC型慢性肝炎でのウイルス血症の改善」であり、1日1回100mgを12週間経口投与する薬剤である。ただし投与時には、ペグインターフェロン アルファ-2aまたはペグインターフェロン アルファ-2b、及びリバビリンと併用することが定められている。

C型慢性肝炎における治療目標は「C型肝炎ウイルス(HCV)の排除」である。薬物治療では従来から、このHCVの排除を目標として、インターフェロン(IFN)単独療法、IFNとリバビリン(商品名:コペガス、レベトール他)の併用療法、IFN製剤のペグインターフェロン(商品名ペガシス、ペグイントロン)への切り替えなどが行われ、さらに2011年11月からは新しい作用機序を有するテラプレビル(商品名テラビック)に、IFNとリバビリンを併用する3剤併用療法が行われている。

テラプレビルを含めた3剤併用療法により、日本人に最も多いジェノタイプI型で高ウイルス量の難治性C型慢性肝炎患者でも、HCV RNA持続陰性化(SVR)率が約70%を達成できるようになった。
今回、承認になったシメブレビルは、テラプレビルと同様、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製に必須の酵素であるNS3/4Aセリンプロテアーゼを選択的に阻害することで、HCVの増殖を抑制する経口の直接作用型抗ウイルス薬(DAA)である。


C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)の感染により起こります。HCVに感染すると約70%の方が持続感染者となり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合があります。日本には約150万~200万人のHCV感染者がいると考えられています。また、肝がんの原因の80%がC型肝炎です。

関連記事に書いたように、プロテアーゼ阻害薬などの直接作用型抗HCV薬(DAAs)によってC型肝炎治療は大きく変わろうとしています。特に、シメブレビルは副作用も少なく、Sofosbuvirとの併用は100%近くの患者に有効だそうです。大半の肝がんの原因であるC型肝炎が克服される日は近いのかもしれません。

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