コンプラビン:クロピドグレル+アスピリンの配合錠

【新薬】コンプラビン クロピドグレル+アスピリンの配合錠が登場へ
以下は、記事の抜粋です。


2013年9月20日、クロピドグレル硫酸塩・アスピリン配合薬(商品名コンプラビン配合錠)が製造承認を取得した。適応は「経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される次の虚血性心疾患。急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞」で、1日1回1錠を経口投与する薬剤である。

近年、心筋梗塞などの冠動脈狭窄例には、血管拡張を目的としてバルーン血管形成術やステント留置などのPCIが広く施行されるようになっている。PCI後には血栓性合併症の予防を目的に抗血小板薬が使用される。

国内外のガイドラインでは、PCI施行時や施行後にクロピドグレル(商品名プラビックス)などのチエノピリジン系抗血小板薬とアスピリンを投与する二剤抗血小板療法(DAPT)が推奨されている。また、いずれか1成分の未服薬が心血管イベントを更に増加させることが報告されている。

コンプラビンは、1錠中にクロピドグレル75mgとアスピリン100mgを配合した薬剤である。 クロピドグレルは、血小板アデノシン5’二リン酸(ADP)受容体の活性化を特異的に阻害し、アスピリンは血小板のシクロオキシゲナーゼ1(COX-1)の選択的なアセチル化によりCOX-1を阻害する。両成分を併用することでADP受容体とCOXを同時に阻害でき、強力な抗血栓作用をもたらすことが示唆されていた。承認時までに各有効成分併用の生物学的同等性試験などは実施されたが、PCIが適用される虚血性心疾患患者を対象としたコンプラビンの臨床試験は実施されていない。

主な副作用は、皮下出血(5.7%)などの出血傾向の副作用、ALT上昇(7.9%)・AST上昇(5.6%)・γ-GTP(5.1%)などの肝機能異常、好中球減少(0.9%)などの血液障害である。また重大な副作用として、出血(頭蓋内出血、胃腸出血など)、胃・十二指腸潰瘍、肝機能障害などが報告されているので、投与前には最新の添付文書を確認しておくことが肝要である。


TIAまたは軽症脳梗塞を発症後24時間以内に治療が可能な患者では、クロピドグレルとアスピリンの併用は、発症後90日間の脳卒中リスクの低減においてアスピリン単独よりも優れ、出血リスクを上昇させることはないという報告がある一方、以下のような報告もあります。

ラクナ梗塞を最近発症した患者において、アスピリンにクロピドグレルを併用しても、脳卒中の再発リスクは有意に減少せず、出血と死亡のリスクが有意に増加した(論文をみる)。

その他いろいろと調べたところ、冠動脈ステント留置術後の抗血栓療法におけるアスピリンとクロピドグレルの併用の重要性はほぼ確立しているようです。また、心筋梗塞、不安定狭心症などでも短期での併用は効果的との報告が多いようです。まとめると、重症例での短期の併用は有効だけれども、長期の使用では出血と死亡のリスクが増加するということだと思います。どちらも良く効く薬の併用だけに、副作用も効果と同様に増えると考えるべきでしょう。

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