ゼリア新薬工業が大幅続伸、「丸山ワクチンをアジアで展開」
以下は、記事の抜粋です。
ゼリア新薬が大幅続伸。日経新聞が8月16日付で「ゼリア新薬工業は末期の子宮頸がん患者の治療薬として、がんの有償治験薬として知られる『丸山ワクチン』と同じ成分の臨床試験を日本を含むアジア各国で2014年度に始める」と報じたことが買い材料視された。
丸山ワクチンは1981年に抗がん剤としての有効性が確認できず未承認となったが、報道によると治験で患者の生存期間を延ばす効果を確認し、末期の子宮頸がん治療の承認薬としてアジアで展開する方針という。株価は年初来高値を連日更新。
1500円台で安定していた株価が日経のニュースの発表後1800円台まで急騰しました。「丸山ワクチン」の人気は衰えていないようです。
ゼリア新薬のパイプラインをみると、開発番号「Z-100」とよばれる適応症:子宮頸がん、作用機序:免疫調節作用の薬物(?)のフェーズIIIが終了していました。2年後には、厚労省に製造承認申請をする予定だそうです。これが上の記事の「『丸山ワクチン』と同じ成分」のものだと思われます。この「Z-100」はまた、がんの放射線治療による白血球の減少を抑えるということで1991年から発売している「アンサー20」というものと同じ成分のようです。
今年のASCOで、東大、慈恵医大、近大などのグループが、”Phase III placebo controlled double blind randomized trial of radiation therapy for stage 2B-4A cervical cancer with immunomodulator Z-100: JGOG-DT101 study.”という演題で発表しています(発表要約をみる)。
ASCOの要約によると2004年から2006年の間で、放射線治療を受けた局所での進行を認める249例の子宮頸がん患者が無作為化され、計243例の患者の生存率が解析されました。Z-100群は29例、プラセボ軍は42例が死亡したそうです。副作用は両群で有意差がなかったそうです。両群での死亡率が予想よりも低かったので、統計的な有意差は期待したほどではなかったという結論でした。
「Z-100」も「アンサー20」もヒト結核菌の抽出物です。非特異的に免疫を活性化する結果、白血球を増加させることは理解できますが、がんに効くかどうかはわかりません。「Z-100」の論文は古いものが多く、ここ5年間は発表されていません。本当に「丸山ワクチン」の復活はあるのでしょうか?
コメント
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丸山ワクチンのがん治療薬としてのエビデンスは今もないけれど、類似成分のがん治療薬では効果が確認されつつあるということですか?不思議な感じがしますが。
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>やすさん
質問ありがとうございます。誤解を与える書き方をしたことをお詫びいたします。ニュースでは復活を匂わせる報道をしていますが、根拠は今のところブログに書いた学会発表しかありません。
私がこの学会発表をみた印象は「効果が確認されつつある」ではなく、「一番効果がありそうな対象に絞って臨床試験をやってみたけれども、効果は期待ほどではなかった」です。
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>takさん
ご説明をどうもありがとうございます。
私の読解不足でした。すみませんでした。
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「一番効果がありそうな子宮頚がんに対象に絞って臨床試験を行ったが、効果は期待ほどではなかった」とのことですが、ゼリア新薬が臨床試験を始めるということは、研究に進展があったということですか?
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>やすさん
研究に進展があったかもしれませんが、あったという発表はないと思います。
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>takさん
わかりました。どうもありがとうございました。
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卵巣がん8年目で、再発転移を繰り返しています。
再発(肝転移)時に友人の勧めで1年間ほど使いました。特に変化は感じませんでしたが、きれいな髪が生えたのは事実です。
次の再再発時(大腸転移)まで30ヶ月ありました。このときは、全く使いませんでした。
13ヵ月後に小腸に転移しました。
サードラインのケモは受けたくなかったので、切除だけです。でも不安なので丸ワクは週2回で使っています。
一時止めて見ました。その時には明らかにCA125値が上昇したので、再開したところ16ヶ月過ぎた今現在、マーカー値は10以下で保っています。
断言はできませんが、私個人的には効果あるような気がします。
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>ざきさん
旧丸山ワクチンと同じレベルに止まらず、メーカーがちゃんとした臨床試験をしてくれることを願っています。