明日からマスク着用は個人の判断 マスクの考え方と必要な場面や状況について
以下は、記事の抜粋です。
明日3月13日からマスク着用については屋内・屋外にかかわらず個人の判断に委ねられることになります。マスク着用に際し、どういった点を考慮すべきかについて解説します。
マスクは自分が周りに感染を広げないためのもの
症状のない人も含めてマスクを着用する「ユニバーサルマスキング」という概念が新型コロナ以降の感染対策として定着しました。マスクは自分が感染しないためというよりも、周りに感染を広げないためという意味合いの方が強い感染対策です。自分が無自覚に感染していた場合にも、飛ぶ飛沫を減らすことで周囲への感染を減らすことができます。
マスク着用に効果はあるのか?
私がマスクに関する記事を書くと、いつも「マスクに効果はない」「コクランレビューでマスクの効果は否定された」などたくさんの温かい励ましのお言葉をいただきます。コクランレビューというのはこちらの複数の研究をまとめた解析のことですが、この研究にはたくさんの欠点があり、そのうちのいくつかを列記しますと、
・ユニバーサルマスキングが行われる前のコロナ以前の研究の方が多く含まれており一緒くたに扱われている:ユニバーサルマスキングは「無症状者からも感染する」「唾液に多くのウイルスが含まれる」という新型コロナの特徴を考慮して行われている感染対策です
・マスクが感染を広げないか、ではなくマスクを着用することで自身の感染が減るかを検証している:前述の通り「自分が感染しないため」というよりも「周りに感染をさせないため」というのがユニバーサルマスキングの考え方です
・いずれの研究でも「マスク着用」に割り当てられた群でのマスク着用の遵守率が低い:最も効果が示せている研究でも遵守率は42.3%と高くない
などが挙げられます。ちなみに「この論文を元にマスクに効果がないと主張するのは不正確であり誤解を招く解釈である」とコクランレビューの編集長も声明を発表しています。
医療現場で感染対策をしている人からすると、マスクの効果は日々実感しており、多くの医療現場での感染はマスク着用の不徹底によるものです(ただしオミクロン株が流行してからはお互いがマスクを着けていても感染してしまうことが増えました)。
どのような場面ではマスクを着けた方が良い?
これを考えるための目安として、
・現在の流行状況が落ち着いているか
・周囲に重症化リスクの高い人がいないか
・周囲に感染したことがある人やワクチン接種者がどれくらいいるか
などが挙げられます。
感染者が増えてきた状況では感染リスクを考慮して屋内でのマスク着用をしっかり行うなど、流行状況に合わせてマスク着用をすべきかどうか判断する考え方は、日本人にはしっくり来るのではないでしょうか。また、病院や高齢者施設など、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある人が周りにいるときには、普段よりも感染を広げないための配慮が必要です。
マスクについて正しい知識を持った上で、場面や流行状況によってマスクの着用を個人個人が判断できるようにしましょう。
コクランレビューを「錦の御旗」にユニバーサルマスキングに反対するヒトが多いので、とても参考になりました。
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