売れ行き順調、広がり続けるトクホ飲料
以下は、記事の抜粋です。
「キリン メッツ コーラ」が、「モンドセレクション2013」のダイエットならび健康製品部門おいて金賞を受賞した。同商品は、2011年10月に特定保健用食品(トクホ)として許可され12年4月に発売開始、脂肪の吸収をデキストリン(食物繊維)の働きにより抑える炭酸飲料水として消費者の人気を博し、同年の販売数は同社の目標100万ケースを大きく上回る602万ケースであった。モンドセレクションは製品の品質評価国際機関であり、今回の受賞により、国内のみならず海外でも評価を得る形になった。
全国清涼飲料工業会によると10年以降、清涼飲料水の生産量および人口1人あたりの消費量が増加している。これは最近の記録的な猛暑などの影響もあると考えられるが、健康ブームによる積極的な飲料水の摂取も消費量を上げている要因のひとつではないだろうか。
メタボの予防や解消のためのダイエットなどを後押しするような特定保健用食品飲料は、いまや消費者にとって手軽で身近な商品である。中高年の男性向け製品のイメージが強かったが、若年層の女性が手にすることも多くなった。かつて特定保健用食品といえば緑茶であったが、炭酸飲料水、コーヒーと商品展開が広がったことにより、消費者の関心も高まり、次なる新製品にも期待をかけている。
「キリン メッツ コーラ」について、独立行政法人国立健康・栄養研究所のデータベースの「キリン メッツ コーラ」の商品詳細で調べたところ、ヒトにおける有効性に関する評価について、以下のように書かれていました。
【ヒト試験】研究1:
空腹時血中中性脂肪値が正常高値域からやや高めの成人男女90名を対象者とした二重盲検によるクロスオーバー試験を行った。高脂肪食とともに試験飲料または対照飲料を摂取させ、摂取開始前、2、3、4、6時間後に採血を行い、血中の脂質関連指標を測定した。
試験飲料は難消化性デキストリンを食物繊維として5 g配合した当該食品であり、対照飲料は難消化性デキストリンを含まない点を除き試験飲料と原材料が同一である飲料とした。
その結果、対照飲料と比較して試験飲料摂取後2、3、4時間後の血中中性脂肪値およびAUC値の抑制が認められた。以上より、試験飲料は食後中性脂肪上昇抑制効果を有することが明らかになった (1) 。
出典:
(1)薬理と治療,38,7,637-43 (2010)
出典をみたところ、以下のようなデータがありました。左は血中中性脂肪値の経時変化、右は血中濃度曲線下面積(AUC)です。不思議なことに、各時点での血中濃度、あるいはAUCがどのくらい違うのかについての具体的な数字は示されていませんでした。いずれにしても、対照飲料とメッツコーラの差がこんなに少ないとは驚きました。どの時点でも、中性脂肪の値は1割も抑制されていないように見えます。
同じように、難消化性デキストリンを含む「トクホ飲料」の「ペプシスペシャル」の商品詳細に書かれている論文もみましたが、ほぼ同じ結果で、血中中性脂肪値に対する抑制効果は1割未満でした。それでも、「有意に抑制された」とは書かれています。また、最近ディオバン®の臨床試験論文などで、「利益相反」が問題になっていますが、メッツコーラ論文の著者6名中4名、ペプシスペシャル論文では5名中4名が自社の社員です。上のデータで下の漫画はやり過ぎでしょう。
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