ビールで痛風はウソ 酒類でプリン体多いため犯人扱いされた?

ビールで痛風はウソ 酒類でプリン体多いため犯人扱いされた
以下は。週刊ポスト2013年6月7日号に掲載されたという記事の抜粋です。


“痛風予備軍”のサラリーマンに朗報がある。今や「ビールを飲んでも痛風は治る」が新常識なのだ。自ら痛風を患った医師らが太鼓判を押す我慢知らずの治療法をお伝えする。

『痛風はビールを飲みながらでも治る!』(小学館文庫)を出版した元鹿児島大学病院長の納(おさめ)光弘医師は2001年、59歳の時に痛風の発作に見舞われた。右足の第2指の付け根に激痛が走ったという。

納氏は、お酒の種類や量を変えながら半年間で201回の採血と624回もの採尿を行なった。そして、少量のアルコールは尿酸値を下げる効果があることを突き止めたのである。「日本酒に換算して1日1.5合(270ml)は尿酸値を下げ、3合(540ml)まで飲むと尿酸値が上がった。つまり、適量さえ守れば、ビールを飲みながら尿酸値をコントロールできるのです」と解説する。

ビールに含まれるプリン体の量は100g中わずか5mgに過ぎない。一方でプリン体が多いとされる、白子や鳥のレバー、干しシイタケなどには100g中300mg以上が含まれている。

「日本痛風・核酸代謝学会」が作成した『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』には、「1日の摂取量がプリン体として400mgを超えないようにするのが実際的と思われる」と記載されている。これに従えば、ビールは毎日よほど大量に飲まない限り、なんの問題もないのである。


上記の「日本痛風・核酸代謝学会」が作成した『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』(第2版、追補ダイジェスト版をみる)の第4章「高尿酸血症・痛風の生活指導」をみました。たしかに、「1.食事療法」のところに、「プリン体として一日の摂取量が400mgを超えないようにする。」と書いてありました。

しかし、そのすぐ後には、「2.飲酒制限」として、「アルコール飲料は、プリン体の有無にかかわらず、それ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるため、種類を問わず、過剰摂取は厳に慎むべきである。特にビールはプリン体を多く含むばかりでなく、エタノール等量で比較すると他の酒類よりも高エネルギー飲料であるため、肥満を助長する可能性があり、注意すべきである。」と書かれています。

上の記事の誤りは、ビールのプリン体だけを問題にして、「これに従えば、ビールは毎日よほど大量に飲まない限り、なんの問題もないのである。」と結論しているところです。上記ガイドラインには、「血清尿酸値への影響を最低限に保つ目安量としては1日、日本酒1合、ビール500ml、またはウィスキー60ml程度であろう。」と書かれています。痛風を気にするかどうかは別にして、酒量はこのくらいに止めておきましょう。

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