ノーベル賞受賞祝いの垂れ幕

神戸大学医学部出身の山中伸弥氏がノーベル賞を受賞したということで、お祝いの垂れ幕を医学研究科あるいは病院に設置してはどうかという提案が学内からあったけれども、慎重に検討した結果、設置を見送ることになったと聞いていました。

ところが、神戸大学医学部医学科の同窓会である「神緑会」の理事長から、「神緑会会員からの要請があり、学生の出入りする コンビニの横の入り口に立て看板と神緑会館に横断幕をはる事を了解してほしい。」との連絡があり、垂れ幕のスポンサーは神緑会である事を明記するという条件で幕をはることになったそうです。

最近、ある神緑会員の重鎮教授は、「文科省の金がなくなってきたので、今後の大学は『研究大学』と『医専』とに選別される。研究大学になるためには、基盤S以上の外部資金を得ている教授が3名/専攻以上必要なので、准教授1名と助教3~4名を新たに雇用できるような好条件を示して、スーパースターを基礎系の教授として招かないといけない!」という、山中氏が聞いたら苦笑いしそうな演説をされました。

いずれにしても、最も優秀な卒業生の1人である山中氏が、研修先にも大学院の進学先にも選ばなかった、そして教員として着任して欲しいと一度も声をかけなかった母校のキャンパスに、「山中伸弥先生、ノーベル医学生理学賞受賞おめでとうございます!」の垂れ幕がはためくことになりそうです。

ミニ東大やミニ京大を目指すのではなく、歴史の浅さやサイズの小ささを逆に生かして、母校はもちろん他大学や他学部出身者が世界で活躍するための登竜門として集まるような、自由闊達に学び働ける環境を作ることが神緑会や我々現教員の役割だと思います。これからは、医学研究科出身者あるいは医学研究科や附属病院で働く研究者の中から「第2のヤマナカ」が出るように頑張りましょう。

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