慢性疾患の管理では遠隔診療は対面診療と互角
以下は、記事の抜粋です。
ビデオを介した遠隔診療(VTC)は、少なくとも慢性疾患を管理するためなら、対面診療と同様に機能するようだ。糖尿病、呼吸器疾患、慢性疼痛、心疾患、神経障害などの治療を受けている患者の対面診療をVTCに置き換えても効果の程度は同様であることが、明らかにされた。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック発生により、オンライン診療の利用は劇的に増えた。2020年の調査によると、VTCを受けた経験を持つ患者の割合は、パンデミック前の8%からパンデミック中には22%にまで増え、同様にオンライン診療を提供した医師の割合もパンデミック前の22%からパンデミック中には80%にまで増加している。
今回、2013年1月1日から2021年3月3日の間に発表され、遠隔診療が通常の対面診療に取って代わり得るか、あるいは対面診療よりも優れているかを検討した20件のランダム化比較試験(RCT)の分析を行った。
20件のRCTのうち12件は通常のケアの代わりに、8件は通常のケアを増強する目的でVTCを用いており、前者では9件、後者では5件のRCTにおいて、VTC群と対照群との間で介入効果に有意差が認められないことが明らかになった。残りの計6件のRCTでは、1つ以上の主要評価項目についてVTC群の方が対照群よりも優れていた。
元論文のタイトルは、”Video Teleconferencing for Disease Prevention, Diagnosis, and Treatment(ビデオ会議の疾病予防・診断・治療への活用)”です(論文をみる)。
慢性疾患の管理ではオンライン診療は対面診療に劣らないという結論は、今のように病院に行きにくい状況では、非常に重要です。また、仕事などで通院が難しい人にも朗報だと思います。日本語のタイトルの「遠隔」というのが「過疎地」の印象を与えるので、「オンライン」に変えておきました。
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