イノシシは愛情深い。罠にかかった仲間を救い出そうとする姿がカメラにとらえられる
以下は、記事の抜粋です。
チェコの研究グループは、罠にとらえらえた若い仲間をイノシシたちがチームワークで「救助」する場面を撮影することに成功した。イノシシにも高度な共感力があることを示す事例として発表された。
同グループはまず「イノシシ(学名 Sus scrofa)」の群れの中に、進入すると扉が閉まって出られなくなってしまう檻を設置した。それにかかったのは幼いイノシシと成獣間近の若いイノシシだった。
閉じ込められた2頭は壁に突進したり、走り回ったりしていたが、やがて状況を把握すると悲痛な様子を見せ始めた。
それから数時間後、メスを含む8頭のイノシシが檻の周囲に集まった。メスは被毛を逆立てて、扉を抑えている丸太に突進。これによって丸太を動かし、取り外すことに成功した。中にいるイノシシ2頭が扉を押し開けられることに気づくまでには少々時間がかかったが、最後は無事脱出することができた。
なおここでいう「救助」は、ほかの社会的行動と区別するために、次の要素を満たすものと厳密に定義されていた。
1. 窮地に陥った被害者がいる
2. 救助者は、自らリスクを負ってでも被害者を助けようとする
3. 被害者を救出するために何らかの重要な行動がとられている
4. 被害者を助けても、救助者に直接的なメリットはない
つまり、何の見返りも求めず、自己犠牲を覚悟の上で仲間を救うために行動を起こすということだ。
メスの救助者の被毛が逆立っていたのは、苦悩しているサインで、被害者に気持ちをそわせたり、理解していたりするときの共感的感情状態を示している。このように仲間と同じ気持ちになることを「感情の伝染」という。論文では、救助行動は共感によって動機づけられていた可能性があると説明され、この脱出劇からは、イノシシに深い社会的傾向や高度な問題解決能力があることがうかがえるという。
元論文のタイトルは、”Observation of rescue behaviour in wild boar (Sus scrofa)です(論文をみる)。
記事によると、イノシシを家畜化したブタは苦しむ仲間の姿を見て苦悩することが知られているそうです。こういう記事をみると豚肉を食べにくくなりますが、やっぱり食べると思います。
コメント