子宮頸がんワクチン推奨中止ですでに4000人の死亡数増加リスク 大阪大が推計
同じ内容を日経も報道していますが、本記事はデータも示しています。以下は、抜粋です。
大阪大学の研究グループは、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の積極推奨中止という政府方針の影響による接種率減少で、2000年度以降生まれの日本女性の将来の子宮頸がん罹患者・死亡者数が増加する可能性を具体的な数値レベルで推計した。それによると、すでに接種年齢を過ぎた現在16歳〜20歳の層だけで今後約17000人が子宮頸がんを発症する可能性があり、そのうち約4000人が死亡するという。研究グループは研究成果を発表した論文の中で「これは誰もが受け入れられない結果だ。一刻も早く推奨再開すべき」と訴えている。
推奨中止により接種率ほぼゼロに、影響は甚大
大阪大学の研究グループは、HPVワクチンの接種率減少による、2000年度以降生まれの日本女性の将来の子宮頸がん罹患者・死亡者数増加の可能性を具体的な数値として示した。
日本では副反応への懸念から、2013年6月以降、厚生労働省による積極的勧奨が差し控えられた状態が続いており、2000年度以降生まれのHPVワクチン接種率が激減している。研究チームはまず摂取率について地域保健・健康増進事業報告および国税調査のデータをもとに再計算を行ったところ、2000年度生まれの接種率は14.3%、2005年生まれ以降はさらに減少していることが明らかになった。
推奨中止以降、すでに約17000人が発症、4000人に死亡リスク
研究グループはその接種率をベースに、発症、死亡リスクを推計したところ、ほぼワクチン導入前の1993年度以前の発症リスクと同じ程度までリスクが上昇しており、そのリスクに基づき発症数、死亡数を推計。接種推奨年齢を過ぎた時点でリスクが確定したとすれば、すでに2000-2003年度までに生まれた女性だけでも、それぞれ約17000、約4000となることが分かった。このままワクチン推奨が再開されなければさらに増えていくという。
研究グループの八木麻未特任助教は「積極的勧奨差し控えによる接種率の激減による罹患・死亡増が生まれつつあることが示された。オーストラリアでは子宮頸がんの排除が近い将来達成されることが数理モデルによって示されており、このままでは日本は取り残される。一刻も早い子宮頸がん予防施策の改善が強く求められる」と述べている。
元論文のタイトルは、”Potential for cervical cancer incidence and death resulting from Japan’s current policy of prolonged suspension of its governmental recommendation of the HPV vaccine”です(論文をみる)。
2000年から2003年の間に生まれた女性は、毎年4000人強が子宮がんにかかり、約1000人が子宮がんで死亡することになります。この死は、ワクチンで防げた死です。厚労省のお役人は「未必の故意」による罪を自覚してください。
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