クルーズ船乗客「一刻も早く検査終え、下船措置を」政府に緊急要望
あまり大きく報道されていないようなので紹介します。以下は、その抜粋です。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客らで作る「緊急ネットワーク」は2月17日午前、政府に対し支援体制などの改善を求める緊急要請書を公表した。内容は以下の通り。
2020年2月16日
政府対策本部長、現地対策本部長
緊急要請書
船内隔離者緊急ネットワーク 代表 千田忠、 世話人 土屋京子、小幡春子、工藤文子
ダイヤモンド・プリンセス号は「コントロールされていない」
一刻も早く検査を終え、ただちに下船の措置をとることを求めます。
ダイヤモンド・プリンセス号に隔離されている私たちに対して、たくさんの支援が届けられていることに対し、心から感謝申し上げます。
しかしながら船内では、場当たり的な対応、情報の錯綜(さくそう)などにより混乱を極めており、機能不全状態にあります。そもそも船内隔離によりいまだに船内での感染者が増え続けており、船内は感染の爆発的な拡大(アウトブレイク)の様相を呈しています。
このような中で私たちは、対策本部に対して以下のような緊急の措置を求めるものです。
1、現在、医療チームの派遣をはじめとする各種支援が届けられていますが、その内容および乗客が受けることのできるサービスについては何ら知らされておりません。せっかくの社会的資源が生かされておりません。この点、大至急改善を求めます。
2、去る14日、対策本部より乗客に対して、相談対応などのためにiPhoneが貸与されましたが、機器の使用に不慣れな高齢者も多く、現場の状況に合わせたきめ細かな対応にはなり得ません。乗客の現状に合わせて即座に対応できる相談窓口を、船内に設置することこそが切実に求められています。
3、これまでの重篤事例の中には、発熱後に適切な対応がとられずに重症化したケースもあります。家族からは責任の所在と事実解明を求める声が上がっており、対策本部にはこうした事例に対する早急の対処・検証が求められます。
4、船長のアナウンスと厚労省の発表内容が食い違い、その状態が一日放置されるなど、対策本部の連携が極めて不十分なため、下船に関わる情報が混乱を極めています。権限のある広報体制の確立は喫緊の課題です。
5、一刻も早く検査を終了することで、すみやかに下船手続きを実施し、19日には確実に下船の手続きが完了することを強く求めます。また、下船後、国内の各地での医療機関で適切な医療的な支援を受けることができるよう、国、地方自治体の対応を求めます。
6、そもそも今回の政府による隔離対策は、船内での感染拡大を防げていないばかりか、感染していない健康な乗客の感染および疾病のリスクを高めるなど、重大な欠陥を有しています。感染の拡大にいたった責任の所在を明らかにし、国民に説明することを求めます。
以上
クルーズ船を隔離するという方針そのものは間違っていたとは思いませんが、医学知識を持ったスタッフを十分に投入しなかった(できなかった)ことが、感染者の不十分な隔離とその結果生じた感染の拡大(健康者の感染)につながったのでしょう。この責任の所在はやはり、厚労省と官邸にあると思います。
今日は下船の予定日です。乗客の皆様の無事の下船を祈ります。
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