総裁選4候補のワクチンや治療薬についての見解や具体策は、無知に基づく非現実的なもの

総裁選でも気になるコロナ対策、4氏の具体策は現実的?
以下は、4候補の新型コロナウイルスの検査と治療薬についての発言のまとめです。


河野氏が主張したのは「簡易検査キットの低コストでの大量調達と供給。薬局での販売解禁」である。河野氏は「どんどん検査をすることで、見える景色が大きく変わってくると思います」と述べているが、どのような着地点を持ってこの主張をしているかが不明である。河野氏が言う簡易検査を不特定多数に行った場合、かなりの陽性者が判明するはずで、そうした人を自宅待機にするのか、その場合誰がどうフォローアップするのかなど抱えている課題は多い。

岸田氏も「予約不要の無料PCR 検査所の拡大と、簡易な抗原検査など在宅検査手段の普及促進」を謳っているが、PCR検査ともなるとそこにも人材の配置が必要になるため、前述の河野氏のところで指摘した課題に加え、再び人材確保という壁にぶち当たる

高市氏野田氏が第一に主張したのは、ともに感染者の重症化を予防するための「治療薬の確保」。ちなみに高市氏はわざわざ「国産の治療薬」としていたのが、彼女らしいとも言える。「ワクチンまた治療薬の国産化に向けてとくに生産設備に対するしっかりとした投資(支援)をする」との考えも示している。この点は政策集などで河野氏も「治療薬と国産ワクチンの確保」を主張し、岸田氏年内の治療薬登場に期待するコメントを日本記者クラブでの会見で述べている。

現在、第III相試験中と最も開発が先行しているmolnupiravirは外資系のメルク社のものであり、それも年内中の上市については未知の部分は残されている。そして国産の治療薬、ワクチンに関しては、塩野義製薬のプロテアーゼ阻害薬が第I/II相、第一三共のmRNAワクチン、塩野義製薬の組み換えタンパクワクチン、KMバイオロジクスの不活化ワクチンのいずれもがやはり第I/II相と初期段階に過ぎない。アンジェスのDNAワクチンが第II/III相だが、第II/III相まで進行した当初の用量での臨床試験は芳しいものとは言えなかったと見る向きもある。いずれにせよ国産化まではまだ相当時間を要する見通しで、この点は各人ともやや楽観的過ぎるともいえる。


ファイザーやモデルナなどの海外製のワクチンは、既に数億人以上のヒトに使われており、非常に高い予防効果を示しています。日本で製造したアストラゼネカのワクチンを「国産」と呼ぶのは別として、よほどの愛国主義者でなければ「国産ワクチン」を打たれたくないと思います。

治療薬については、国内メーカーの動きはワクチンよりもさらに遅れており、「国産」のアビガン(一般名:ファビピラビル)やイベルメクチンがダメならHopelessだと思います。

残念ながら、4候補のワクチンや治療薬についての見解や具体策は、無知に基づく非現実的なものだと思います。

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