5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるようになる?

ビル・ゲイツ曰く「5年以内に最上の教育はウェブからもたらされるようになる」

以下は、記事の抜粋です。


ビル・ゲイツは、学問を修めるために若者が大学に通うということが、比較的早い時期になくなるだろうと予想している。学ぶ気持ちがあれば学校など必要ないというわけだ。

「ここ5年以内に、最高の教育リソースは無料でウェブ上に現れてくることになるでしょう」と、Techonomyカンファレンスにてゲイツが発言した。「個々の大学などよりもはるかに良い教育を提供できるようになるでしょう」とのこと。

どのような手段で学んだにせよ、その学識は正統に評価されるべきだという信念もゲイツは持っている。MITから与えられた学位であれ、ウェブから学んだものであれ、いずれも正統な評価を与えられるべきという考えだ。

但し、高校生年齢までの子供にとって、教育施設が重要であることも強調している。しかし大学教育については、そろそろ施設などから開放されるべきだとのこと。皆で同じ場所に集まることなど、パーティー以外に必要だとも思えませんと冗談めかして主張している。

ゲイツのポイントは、ひとつ所に集まって学ぶ現状のスタイルは高価なものとなりがちで、十分な教育を受ける機会を失わせるものだということだ。こうした原因から、現在の特定施設に立脚した教育システムの重要性は5分の1程度に減じるだろうとしている。


ビル・ゲイツだけではなく、いろんな人が既に発言している内容ですが、「5年以内」というのはいかにもゲイツらしい言い方だと思いました。

自分自身が所属する医学部について考えてみました。「医学部は実習が多いから関係ない」という意見もあると思いますが、私は逆にウェブ学習を導入できる部分は多いし、導入することで実習や研究教育の充実が図れると思います。

アメリカのNIH(National Institutes of Health)がやっている一般向けプログラムにInteractive Health Tutorialsというものがあります。既存の知識を良く理解して身に付けるという目的には、このようなプログラムがかなり役立つと思います。

私の担当している薬理学という教科では、薬物の生体系に対する作用(薬理作用や副作用)と動態(薬物の吸収や代謝)を個体、臓器、細胞及び分子レベルで理解し、正しい薬物治療を行うための基礎知識を学ぶ事を目的としていますが、多くの部分はこのようなinteractive tutorialでカバーできると思います。

1単位あたり、最低でも15時間の講義あるいは、30時間の実習をしなければならないということを聞いたことがあります。ウェブによる教育を導入するためには、このあたりをもっともっとフレキシブルに考える必要があります。

例えば、知識学習にinteractive tutorialを導入し、厳格な試験を行うことで、学習にかけた時間ではなく、どれだけ理解し記憶しているかという成果で評価し、単位を付与することもできるようにしてほしいと思います。

医師や研究者は、問題に直面した際に、問題点を明確にし、解決する能力を養うことが必要とされるので、学習者が自ら問題点をみつけ、それを解決するプロセスで学習する方法、問題基盤型学習(Problem-based learning, PBL)が医学部では広く導入されています。知識教育をウェブ化することで、PBLをさらに充実させることができると思います。

関連記事で紹介したように、NIHだけではなくアメリカの大学でをはウェブを用いた教育を積極的に導入しています。ビル・ゲイツの予言が当たらないように日本の大学も頑張りましょう。

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コメント

  1. より:

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    チュートリアル教育で系統講義時間が不足し、知識量が圧倒的に不足しているということが指摘されていますが、系統講義については同一教員が一貫して講義を行うなどして体裁を整えればVideo On Demandで十分代替されると思います。
    またVODならば臨床に入ってからでも基礎の復習ができますし、聞き逃しも防げるといったメリットもあります。ぜひ導入して欲しいですね。

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