SciCom News巻頭言からの抜粋です。抜粋しすぎかもしれません。できれば原文をお読みください。
各党の科学・技術政策を概観した。ここで私の独断と偏見を含めて講評してみたい。
例年通りではあるが、政策の一貫性や完成度の高さでは、自民党、共産党が頭一つ抜けているように思う。これにみんなの党、たちあがれ日本、公明党が続き、三番手に新党改革がつけるといった構図だ。
社民党、国民新党が科学・技術にふれないのは毎回だが、与党民主党はどうしてしまったのか。民主党政権は、事業仕分けのあと、科学・技術を軽視しているわけではないと述べ、私もそうだと理解したが、マニフェストがこれでは、その姿勢を疑わざるを得ない。
科学・技術政策に対するスタンスは、各党の姿勢が明らかになったと思う。
共産党の徹底的なボトムアップ重視は、これまでの選挙で一貫している。ひとつの対立軸となりうる。人文・社会科学に触れたのは共産党だけだ。もうひとつの対立軸は、みんなの党、自民党だ。重点分野を定め、競争を重視する。トップダウン志向だ。
また、両党とも、国立大学法人の民営化にも触れる。違いは、自民党は科研費を「大幅」に増やすと述べているが、みんなの党は競争前提で増やすと述べている点だ。
榎木さんの分析がほぼ正しいとすると、下線の部分(私が勝手にひきました)が怖いですね。与党すべてが「科学オンチ」なら本当に悲惨です。
アメリカでは、民主党の方が共和党より科学・技術政策に理解があるというのが一般的な考えなので、日本でもそうかなと思っていたのですが、間違っていたようです。
私は、特定のプロジェクトや個人に重点配分するよりも、小額でも多くの研究者に資金が配分されるのが良いと考えています。そういう意味では、共産党に近いのかもしれません。
共産党の政策について、おもしろい記事をみつけたので紹介しておきます。
以下は記事の抜粋です。
「KUC-7483」の第Ⅲ相臨床試験の成績について
キッセイ薬品工業株式会社は、このたび、過活動膀胱治療薬「KUC-7483」の第Ⅲ相臨床試験において、本薬の有効性について期待した結果が得られなかったことをお知らせいたします。
当社は、今回の試験により得られた成績について、今後詳細な検討を実施し、本薬の開発に関する判断をいたします。
最近、アステラスのミラベグロンが過活動膀胱(OAB)治療薬として承認申請されたというニュースを紹介しました(記事をみる)。
ミラベグロンもKUC-7483も、β3アドレナリン受容体にアゴニストとして作用する過活動膀胱(OAB)治療薬として開発されていたのですが、KUC-7483の臨床試験は中止になったようです。キッセイの株価が急落しました。
KUC-7483でHighWireをサーチしても何も見つかりません。今のところ中止の理由はわかりませんが、ミラベグロンの承認に影響するような理由かどうかが気になります。
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