新規緑内障治療薬の開発・販売権を米バイオベンチャーに供与―旭化成ファーマ
以下は、記事の抜粋です。
旭化成ファーマは4月5日、新規緑内障治療薬として創製したAK138シリーズ化合物について、日本、韓国を除く全世界の独占的開発・販売権を米バイオベンチャーのアルテオス社に供与するライセンス契約を締結したと発表した。
緑内障は、眼球内を循環する液体(房水)が増え、眼球中の圧力(眼圧)が上昇することなどによって視神経が損傷を受け、視野が徐々に欠けていく疾患。
主流薬は、房水の副排出経路のぶどう膜強膜に作用し、房水の排出を促して眼圧を下げる。これに対し、AK138シリーズ化合物は、繊維柱帯という「主排出経路」に作用する。旭化成ファーマでは、主経路に作用した方が、より高い眼圧降下が期待できるとしている。点眼剤として開発する。
AK138シリーズ化合物は、血管平衡筋の収縮などに関係するRhoキナーゼを阻害する働きを持つ。旭化成ファーマは、Rhoキナーゼ阻害薬として、くも膜下出血術後の脳血管攣縮やこれに伴う脳虚血症状の改善薬(エリル点滴静注液)を販売しているが、近年、眼圧を強力に下げる作用が明らかになってきたという。このため、緑内障治療薬としての開発競争が激化しており、現在、参天製薬や千寿製薬など複数の企業が臨床試験を進めている。
旭化成ファーマによると、国内で緑内障の治療を受けている患者は54万人(2005年)で、潜在患者は300万人(同)。全世界での潜在患者数は6700万人(00年)だという。
1990年代の後半、低分子量GTP結合タンパク質Rhoの標的タンパクの同定は、日本の研究室を中心に進み、Rhoキナーゼ、ミオシン脱リン酸化酵素のミオシン結合サブユニット(MBS)、mDia、PKNなどが次々に同定されました。
RhoキナーゼにはRhoキナーゼα/ROCK2/ROKαと、Rhoキナーゼβ/ROCK1/ROKβの2種類のアイソフォームが存在し、N末端側にキナーゼドメイン、中央にコイルドコイルドメイン、C末端側にPHドメインを有しています。活性化されたRhoキナーゼは、ミオシンのリン酸化を調節し、細胞質カルシウム濃度の上昇の無い状態でも、血管平滑筋などを収縮させます。
現在、ファスジル(商品名:エリル)が静注薬として脳血管攣縮抑制の目的で臨床で用いられ、さらに、国内外の多くの企業が心血管病の適応を目指して選択的Rhoキナーゼ阻害薬の開発を進めてきました。
ところが、2001年にRhoキナーゼ阻害薬が眼圧を下げ房水流出を促進することが発見された後、企業の開発は、緑内障治療薬にシフトしたようです(論文をみる)。
現在、緑内障治療薬としては、プロスタグランジン類(ラタノプロスト、商品名:キサラタンなど)が第一選択薬として使用され、効果が不十分な場合は、β遮断薬などが追加されます。個人的な経験としては、今の薬で十分な感じもするのですが、患者数は多いので、有望なマーケットなのかもしれません。
ロンドンでSEXという名前のブティックを経営していたマルコム・マクラーレンは、店にたむろしていた若者たちのバンドを、セックス・ピストルズとして1975年にライブデビューさせました。破れたシャツ、安全ピン、逆立てた髪などのパンク・ファッションは、マルコムと当時のパートナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドによるものだと言われています。
マルコム・マクラーレンは、64歳だそうですが、セックス・ピストルズのベースが弾けないベーシスト、シド・ヴィシャスは21歳で死んでしまいました。2人を偲んでメチャクチャな”My Way”をもう一度。
歌詞はこちら。フランク・シナトラのものとは微妙に違います。
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