週刊現代の医療関連記事…実は医療費抑制に貢献?

やらないほうがマシ…? 成功しても後遺症のほうがつらい手術
週刊現代の記事の紹介です。以下は抜粋です。


割にあわない
「こんなことになるなら、手術なんてやらないほうがマシでした。そもそも前立腺がんは進行が遅い。それに放射線治療も含めて他の選択肢だって残されていました。でも、医者が『早く切って安心しましょう』と唆してきたんです」

こう憤るのは、富田浩二さん(62歳、仮名)。半年前に前立腺がんの手術を受けてから、つらい後遺症に悩まされている。富田さんのがんが見つかったきっかけは妻と受けた人間ドック。血液検査でがんが発覚し、即手術を受けることになった。手術は無事成功したが、直後から深刻な尿漏れと勃起障害が彼を襲う。

「とにかく、尿漏れはストレスです。起床したとき、散歩したとき、食事のとき、あらゆる場面で漏れてしまう。自分では制御できず、気がついたらジワ~っと股間が濡れているんです。『またか』と。これは屈辱的ですよ。

勃起障害もそうです。手術前、医者からは『射精時に精子は出なくなるけど勃起には影響しない』と説明を受けました。でも、いざ妻とセックスをすると手術のせいで精液が体外に出ず、膀胱に流れ出してしまう。体内で精液が逆流する感覚が気持ち悪くて。結局、だんだん回数も減っていき、セックスレスに。いまでは完全に勃起不全になってしまいました」

富田さんが怒るのも無理はない。前立腺がんは他のがんと比べて進行が遅く、「死なないがん」として知られている。彼は必要のない手術のせいで、割に合わない後遺症に苦しめられているのだ。

「たとえがんが見つかっても、患者さん本人が生活を送る上で不自由を感じていないのならば必ずしも手術をする必要はありません。手術を受けることで深刻な後遺症を招く可能性がある。放っておいたら将来、どんな問題が起こるか理解した上で、がんそのものが日常の中で邪魔になっているかを見極めなければいけません」(東海大学名誉教授の田島知郎医師)

上の表をご覧いただけば一目瞭然。手術を受けたことで、患者が苦しむ事例で溢れかえっている。

たとえば胃がんの手術。胃を切除すると、いままで胃の中で消化されてゆっくりと腸に移動していた食べ物が未消化のまま腸に流れ込み、血糖値が急上昇する。それを抑えようと次は体内で大量のインスリンが分泌され、低血糖を起こしてしまう。つまり、食事のたびに血糖値が乱高下するのだ。そのため食事を何回にも分け、少しずつ摂ることになる。そんな後遺症があれば、生活リズムはメチャクチャになる。

高齢になると患者が急増する変形性膝関節症の手術も悲惨だ。人工関節を取り付けたことで患部と金属の接合部に炎症が起きて歩行困難になり、車椅子生活を余儀なくされてしまう。しかも人工関節は4~5年で交換が必要。一度オペを受ければ最後、死ぬまで手術し続けることになる。

「医者側は、なにより病院を潰さないことが最重要。そのため、手術する必要のない患者にまでメスを入れてしまう。本音と建て前を使い分け、いかにも患者さんの側に立っているようなフリをする医者は増えています。医者が真心で手術を薦めているかの判断には充分な注意が必要です」(前出・田島医師)

医者は病巣を取り除くことができれば、それは成功だと言うだろう。だが、それはあなたの人生にとってかならずしも成功とはいえないのだ。

『週刊現代』2019年8月10・17日号より


この記事の根拠になっている発言をしているとされる田島知郎氏は、1939年生まれです(プロフィールをみる)ので、現在は約80歳です。この方が現役で活躍されていた頃の医師は、自己の保身よりも病院の存続を大切にする「忠犬」だったかもしれませんが、現代の医師は、患者不満と訴訟リスクを押してまで、ムダな診療行為はしないと思います。

週刊現代の記者が書いていると思われる「人工関節は4~5年で交換が必要」というのは大間違いです。現在の人工膝関節は20年以上交換が不要で、手術を受けた9割以上は、死ぬまで定期検診だけで問題ない人も多いはずです。学会は無視せず、ちゃんと抗議すべきでしょう。

消えゆく運命の紙媒体の週刊誌の最後のあがきとして、薬を飲みたくない患者や手術をしたくない患者にウケる記事を書いて売れれば良いということだけかと思っていましたが、最近は国の医療費抑制策に忖度した愛国記事ではと思うようになりました。ということで、この手の記事はお咎めもなくいつまでも続くのでしょう。

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