経口CGRP受容体拮抗薬rimegepantの片頭痛に対する効果

経口CGRP受容体拮抗薬rimegepantの片頭痛に対する効果
以下は、論文要約の抜粋です。


背景:カルシトニン遺伝子関連ペプチド(Calcitonin gene–related peptide、CGRP)受容体は片頭痛の病態への関与が示唆されている。リメゲパント(rimegepant)は、経口投与可能な小分子CGRP受容体拮抗薬であり、片頭痛の急性期治療に有効である可能性がある。

方法:多施設二重盲検第 3 相試験で、1 年以上の片頭痛の既往があり、中等度~重度の片頭痛発作が月に 2~8 回起こる成人を、リメゲパント 75 mg を経口投与する群とプラセボ群に無作為に割り付けた。主要エンドポイントは、痛みと最もつらい症状の消失とし、投与2 時間後に評価した。

結果:計1,186 例をリメゲパント群(594例)とプラセボ群(592例)に無作為に割り付け、それぞれ537 例と 535 例で有効性の評価を行った。平均年齢は 40.6 歳、88.7%が女性であった。解析の結果、投与後 2 時間の時点で痛みが消失していた患者の割合は、リメゲパント群 19.6%、プラセボ群 12.0%であった(有意差あり)。最もつらい症状が消失した患者の割合は、リメゲパント群 37.6%、プラセボ群 25.2%であった(有意差あり)。

結論:経口CGRP受容体拮抗薬リメゲパントによる片頭痛発作の治療は、プラセボと比較して、痛みと最もつらい症状が消失していた患者の割合が高かった。


CGRPは、アミノ酸37個からなるペプチドで神経終末に存在します。三叉神経末端からCGRPが分泌され、血管拡張を誘発して片頭痛が起こると考えられています。このため、上のようなCGRP受容体拮抗薬が片頭痛治療薬として開発されています。トリプタン製剤に反応しない患者にも有効だとされているので、かなり期待できる薬だと思います。

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