ブレグジットの勝者はEU その明るい未来像

ブレグジットの勝者はEU その明るい未来像
とてもおもしろい記事です。ブレグジットについてはイギリスのことばかりニュースになるので、EU側のことはあまり考えませんでしたが、ヨーロッパ各国のポピュリストへも大きな影響を与えたという話はなるほどと思いました。以下は、記事の抜粋です。


<もはやEUからの完全離脱はあり得ない――。イギリスの混乱劇で、加盟国内の離脱論は下火に。創設以来、自らの存在意義への疑念にさいなまれてきたEUは、団結して強力になった>

今回の勝者はEUだ。機構としてのEUのみならず、概念としてのEUが勝利を収めている。

現状の意味は実に明瞭。EUはイギリスなしでも十分やっていけるが、イギリスはおそらくEUなしでは立ち行かない。イギリスにはまともな離脱案も存在しない。主導権を握るのはEUだ。

創設以来、EUは自らの存在意義への疑念に慢性的にさいなまれてきた。アメリカには絵空事と笑われ、加盟国にとっては都合のいいスケープゴート。5月に欧州議会選を控えるなか、右派ポピュリスト勢力の台頭と分断の脅威にも再び直面している。

だがブレグジットの混乱劇で、構図は一変した。離脱交渉でのメイの失敗は英政権に大打撃を与える一方、ミシェル・バルニエ首席交渉官らEU側の責任者の評価を高めている。

もっとも、懸念材料は相変わらず多い。ドイツでは、2021年に迫るアンゲラ・メルケル首相の退任で政治の行方が見通せず、ナショナリズム傾向はスペインでも強まっている。

イギリスは「無風状態の中でマストも舵も失ったヨットだ」と、カプチャンは言う。「漂っているだけで、どこへ進むべきかも分かっていない」対するEUに、より確かな方向性と未来像があることはたぶん間違いない。


HONDAをはじめ日本企業の多くは、英語が通じて、世界の金融中心もかつて存在したイギリスに多くの投資をしてきました。おそらく、アメリカや中国の企業も同じでしょう。これらの企業がイギリスから工場を引き上げることを考えると、移民もイギリスを避けるかもしれません。極東のどこかの島国と同じように、イギリスも「産業立国」の希望を失い「観光立国」を叫ぶようになるのでしょうか?

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