似て非なるコンフリクトマネジメント

コンフリクトマネジメントとは? 手順と方法、メリット、研修、コンフリクトの原因について
最近、コンフリクトマネジメントについて学ぶ機会があったので、紹介します。以下は、偶然見つけた記事の抜粋ですが、私の学んだものとは大きく違います。


組織の活性化は、人材同士の円満な関係だけからは生まれません。ときには衝突も受け入れ、その過程を経てより良い方向へ進んでいくことも大切なのです。これが、コンフリクトマネジメントと呼ばれる考え方です。

1.人材同士の衝突が起きた場合、コンフリクトマネジメントを実施して双方の関係をWin-Winとなるよう進め、利害の衝突や対立を解消すると同時に人材や組織全体の成長へとつなげるのです。問題をしこりとせず、メリットに変えようとするマネジメントです。

コンフリクトマネジメントは、3つの手順に分類されます。
❶概要の認識
利害に関係した衝突や対立を諍いで終わらせず、組織の成長につなげる取り組みと定義する。❷どのように進めれば双方の利益になるかを考える
❸コンフリクトマネジメントによる実際の問題解決

2.コンフリクトの原因と要素

年齢や性別の差、また派遣・正社員といった雇用体系における違い、就労経験や実力など、あらゆる差異が存在します。それぞれの差異により、コンフリクトが発生してしまうのです。

コンフリクトを生む要素
❶条件の対立:上司と部下といった上下関係における対立、コスト対品質、納期対安全など。
❷認知の対立:思考や価値観の違いが原因となる。理想対現実、印象対事実など。
❸感情の対立:優越感対劣等感、愛情対無関心などといった心情的なぶつかり合い。

3.コンフリクトマネジメントのメリット

コンフリクトマネジメントは、むしろ不満を出すことがメリットになります。上手く行けば、内に秘めた不満も減少し、風通しが良くなり、相互理解と結束も促進されます。これらを経ることによる学びが、成長や行動に結び付き、成果向上をも創出する可能性がある。

4.コンフリクトで生じる態度とコンフリクトマネジメントで目指すべき地点
コンフリクトでは主に、5つの態度が発生します。それぞれを把握して、意識しましょう。

①強制:自分の意見を相手に押し付けるような強制的行為は、対立の要因となりやすい。
②妥協:相手の意見を受け入れ、ある程度の範囲内で譲歩する態度です。
③服従:妥協にとどまらず、完全に相手の強制的意見を承服してしまう態度です。
④回避:対立において、結論に至らず話を終える流れです。根本的な問題の解決とは、程遠い態度の取り方でしょう。
⑤協調:最後が協調です。紹介した対立における5つの態度のうちこの協調が理想です。コンフリクトマネジメントで目指すべき着地点でしょう。

5.コンフリクトマネジメントの手順と方法|コンフリクト解消に向けて

コンフリクトへの認識を変える:コンフリクトをマネジメントすることでこれまで以上のメリットが生まれるといった意識転換です。ピンチをチャンスに変える、そんな認識。

コンフリクトマネジメントのメリットなどを共有:コンフリクトマネジメントが有用という認識を、一部のみにとどまらず、組織全体での共有が重要です。

コンフリクトマネジメントの実践とステップ
❶相手を侮辱せず、尊重して話し合いを進める
❷尊重した話し合いの上で互いの一致と相違を明確にする
❸明確にした点からコンフリクトの原因を見出す
❹お互いが自身を客観的に見つつ、原因についてあらゆる角度から考える
❺お互いがWin-Winになる着地点を協力して探す
❻着地点を共有し、協力して解決に取り組む

着地点は、解決だけでなく利益にもなるわけですから、結果としてコンフリクトが起きて良かったとさえ感じられるかもしれません。


私の聴いた話では、コンフリクトの対応を5つに分けるのは同じでした。こちらは、下図のように、Thomas-Kilmann Conflict Mode Instrumentに由来していると思われます。

Assertiveness(自己主張性、A)とCooperativeness(協調性、C)によってコンフリクトの対応モードを、Competing(説得、A高C低)、Avoiding (回避、A低C低)、Collaborating (協働、A高C高)、Accommodating (順応、A低C高)、Compromising (妥協、A中C中)に分けます。

それぞれの例は、説得は「私のやり方で行きます」、回避は「またの機会にしましょう」、協働は「もっと良い方法を考えてみましょう」、順応は「喜んでそうします」、妥協は「落としどころをみつけよう」です。

上の記事では回避はダメで協調がベストの態度だと書かれていますが、こちらは、ベストのモードはなく、コンフリクトの状況に応じて、最適なモードを使うべきであるとしています。

リーダーとしては、どのモードも自由に使いこなして、コンフリクトを上手くマネジメントすることで、混乱せず●意思決定の質を高め●素直な意見交換ができる●自分と相手の理解が深まる●本質的な問題の発見につながる●新たな視点やアイディアが生まれるなど、成果を高めるドライバーにできるとしています。

一方、調和的平穏な協力的集団は停滞しがちだともしています。

くりかえしになりますが、最適な対応をするために
●どのモードにもメリット・デメリットがある
●利点を活かす対応をすることが大切
・「どのモード」を、「いつ」使うか?
・各対応モードを使えるスキルがあるか?
●何を、どのくらい失うかは、状況や相手によって異なる
●失うことを最小限にするためにスキルを使う
・弱腰にみられずに「回避」モードを使う
・相手を憤慨させずに「説得」モードを使う
・BANTA (Best Alternative to a Negotiated Agreement=合意が成立しない場合の最善の代替案)を決めておくというのが結論です。

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