薬品作用学教室の坂口哲也博士と池谷裕二教授が、エタノールが他者の心を読む能力を強める仕組み解明
以下は、記事の抜粋です。
マウスにアルコールを投与すると、仲間の痛みに対して強く共感様行動を示すようになることを発見しました。アルコールを投与されたマウスの脳内では、仲間の痛みを観察したときに、まるで自分自身が痛みを受けているかのような神経活動が生じることが分かりました。
研究グループは、マウスを用いた実験にて、アルコールが仲間の痛みに対する共感様行動を促進することを発見しました。さらに、アルコールを投与されたマウスの脳内では、仲間の痛みに応答する神経活動が、実際に自分自身が痛みを受けたときに応答する神経活動と類似することを突き止めました。つまりアルコールは、他者の情動変化を目撃したときに、まるで自身が同じ状況に置かれているかのような脳状態を生じやすくしていると考えられます。
また、こうした脳の変化は、アルコールによる神経回路の興奮信号と抑制信号のバランスの調節作用によってもたらされることが明らかになりました。本研究により、アルコールが共感を促進する仕組みが示されただけでなく、脳が自身の情動回路を他者への共感のための回路として転用していることが明らかとなり、共感のメカニズムの解明に向けた大きな進展が得られました。この成果は今後、共感性の低下を特徴とする自閉スペクトラム症の治療法開発の布石となることが期待されます。
そもそもマウスを使って、ヒトの精神病のメカニズムを調べようとすることに無理があるのに、こんな実験でヒトの共感のメカニズムまでわかるとは考えられません。
ヒトの場合、飲酒の効果は個別の違いが大きく、泣き上戸、笑い上戸、暴れるタイプなどなど、十人十色です。少量から中容量では興奮しますので、この時にべらべら話すか、大量の飲酒で意識不明直前でうわ言で話すか、いずれにしても、エタノールを飲んだ者が飲まないものに心を読まれるような気がします。
2年前に「自閉症の根本治療にマウスで成功」という話もありました(記事をみる)。
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