アメリカザリガニで蚊が増加、感染症拡大の恐れも:侵略的外来種が公衆衛生に悪影響を及ぼす可能性、米国で確認
以下は、記事の抜粋です。
米国南東部を原産とするアメリカザリガニ(Procambarus clarkii)は、繁殖力が強く、世界中の淡水生態系を侵略してきた。
世界中のさまざまな場所で侵略的外来種として扱われているアメリカザリガニ。今回、新たな研究によって、アメリカザリガニが人間にとって有害である可能性が明らかになった。ザリガニが増えることで蚊が増え、蚊が媒介する病気のリスクが高まるかもしれない。
アメリカザリガニは、現在では、オーストラリアと南極を除くすべての大陸に広がり、生態系を乱し、在来種の脅威となっている。また、人間が感染する寄生虫である肺吸虫の中間宿主でもある。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループは、サンタモニカ山地で川を調査した。そのうち5カ所は、外来種が侵入した記録がないか、近年駆除に成功した場所だ。残りの8カ所には、1960年代からアメリカザリガニがいたことがわかっている。
ザリガニのいない川にはヤゴがたくさんおり、蚊の幼生は少なかった。その逆も当てはまり、ザリガニのいる川では蚊の幼生が多く、ヤゴが少なかった。
ザリガニのせいで蚊が多いのかを調べるため、グループは研究室の水槽にこの3者を異なる組み合わせで入れてみた。ヤゴは、単独ではザリガニ以上に蚊の幼生を効率的にがつがつと食べた。しかし、ザリガニと同じ水槽に入れると、ヤゴの見事な腕前は鳴りを潜めた。ザリガニは、ヤゴを捕まえて食べるだけではない。体の大きいザリガニがいるだけで、ヤゴは怯えて気をとられ、蚊の幼生を食べなくなってしまうのだ。
ザリガニが増えるとトンボの水生幼虫であるヤゴが減り、ヤゴのエサのボウフラから生まれる蚊が増えるという話です。私の住んでいる近くにはザリガニはほとんどいないようですが、蚊はたくさんいます。でも、おもしろい話だと思いました。
コメント