競泳の古賀淳也がドーピング陽性、アジア大会出場取り消し
以下は、記事の抜粋です。
日本水泳連盟(JASF)は23日、競泳男子の古賀淳也がドーピング検査で陽性反応を示したとして、今年8月にインドネシア・ジャカルタで開幕する第18回アジア競技大会への出場を取り消されることになったと発表した。
JASFによると、2009年に行われた第13回世界水泳選手権の男子100メートル背泳ぎで金メダルを獲得した30歳の古賀は、世界反ドーピング機関(WADA)が実施した3月のテストにおいて、筋肉増強効果のある禁止物質に陽性反応を示したという。
最大で4年間の資格停止処分を受けることになった古賀は、使用したサプリメントが陽性反応を示した原因かもしれないとした上で、意図的な禁止薬物の摂取を否定している。
JASFが公開した書類によると、古賀は東京で行われた抜き打ち検査で選択的アンドロゲン受容体調節薬の「LGD-4033」と「SARM S-22」が検出されたという。
「LGD-4033」と「SARM S-22」 が検出されたということは、ネットで売られているような「筋肉増強サプリ」などを摂取したと考えられます。こういうサプリには、アナボリックステロイドが入っている可能性が高いので、自分で摂取していれば救いようがないです。
アンドロゲンは男性ホルモンですが、女性ホルモンのエストロゲン受容体(ER)の選択的調節薬(selective estrogen receptor modulator: SERM)としては、ラロキシフェンがよく知られています。ラロキシフェンは骨に対してはエストロゲン様作用を示すが、子宮内膜や乳線に対しては抗エストロゲン作用を発揮し、子宮癌や乳癌の副作用がない骨粗鬆症治療薬とされています。メカニズムとしては、ER の転写調節に関与するコレギュレーターの組織特異的なリクルートメント様式の違いになどが示唆されていますが、良くわかっていません。
同様に、アンドロゲン受容体(AR)においても、前立腺刺激活性がなく筋力増強作用や骨量増加作用を持つ選択的アンドロゲン受容体調節薬(selective androgen receptor modulator: SARM)は、齢性筋肉減弱症 (サルコペニア)や骨粗鬆症の治療薬として開発が期待されています。LGD-4033やS22は、非ステロイド型のSARMです。これらの薬は、サルコペニアなどへの臨床応用も期待されていますが、主に副作用の問題から、日本での臨床にはまだ使用されておらず、ネット販売などを介して、医療目的以外の筋肉増強などに使われているようです。
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