アミノグリコシド系抗生物質は、マウスのウイルス抵抗性を高める

抗菌薬でウイルス抵抗性アップ? マウスで
以下は、記事の抜粋です。


細菌感染にしか効かないはずの抗生物質でウイルスへの抵抗性アップ――。米エール大学の岩崎明子教授らがマウスで実験したところ、こんな結果が出た。

研究チームは、大腸菌などによる感染症に効くアミノグリコシド系抗生物質をマウスの鼻などに滴下した。免疫系の「見張り役」である樹状細胞が、ウイルス全般への抵抗性を高める情報伝達物質インターフェロンを出すことを確認。インフルエンザやヘルペスなどのウイルスへの抵抗性が短期的に高まったという。

詳しいメカニズムは分かっていないが、アミノグリコシドにより、樹状細胞でウイルスなどのRNA(リボ核酸)の認識センサーとして働く「TLR3」が活性化したとみられるという。


厚生労働省は昨年年6月、「薬剤耐性対策アクションプラン」の一環で、かぜ患者に対して抗菌薬を処方しないよう医師に求める「抗微生物薬適正使用の手引き」を公開しました。その結果、かぜ患者に抗菌薬を処方する医師は減っているそうです(記事をみる)。

元論文のタイトルは、”Topical application of aminoglycoside antibiotics enhances host resistance to viral infections in a microbiota-independent manner”です(論文をみる)。

論文によると、マウスにアミノグリコシドを投与すると、単純ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、ジカウイルスなど広範なウイルスに対する抵抗性が高まったそうです。さらに、抗生物質の投与はヒトの培養細胞でのウイルスの増加も抑制したそうです。

無菌のマウスでもアミノグリコシドの効果が認められたので、この効果が細菌の増殖抑制を介していないことも示されています。アミノグリコシド以外の抗菌薬での効果が知りたいです。

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