雄と雌「逆転」の虫を研究、日本人らにイグ・ノーベル賞
以下は、記事の抜粋です。
人々を笑わせ、考えさせた業績に贈られる「イグ・ノーベル賞」が9月14日、米国ハーバード大で発表され、日本人らの研究チームが「生物学賞」を受賞した。日本人の受賞は11年連続。雌雄が「逆転」した昆虫について研究した。
受賞したのは吉澤北大准教授らの研究者のチーム。ブラジルの洞窟で見つかった新種の虫の雌が「ペニス」のような器官を持ち、それを使って雄と交尾することを解明した。性差とは何かを考えさせるとして、研究が評価された。
この虫は体長約3ミリで、日本では住宅など身近な場所にいる「チャタテムシ」の仲間。吉澤さんは和名を「トリカヘチャタテ」と名付けた。男女の入れ替わりを描いた平安時代の古典「とりかへばや物語」からとった。
吉澤さんらは生態を詳しく観察し、40~70時間と長時間にわたる交尾で、実際に雄雌の交尾器官が「逆転」して機能することを解明。2014年に論文で発表した。世界中にチャタテムシは約5千種いるが、交尾器官が逆転したトリカヘチャタテの仲間はブラジルの洞窟にいる4種だけ。
「逆転」の理由について、吉澤さんらは交尾の際、雄が精子と一緒に栄養分を雌に渡すことに着目。この栄養分を得るため、雌が進んで交尾をコントロールできるよう進化したのではないかと考えている。
イグ・ノーベル賞は、ユニークな科学研究を紹介する米国の雑誌が1991年、面白いが埋もれた研究業績を広めようと始めた賞です。
吉澤氏らの研究は、論文が発表された2014年に以下の記事で紹介されました(記事をみる)。
メスがオスに挿入 不思議な“交尾器逆転”昆虫「トリカヘチャタテ」が発見される
以下は、2014年の記事に掲載された図です。
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