DNA研究:保険業界を脅かす遺伝子検査
以下は、記事の抜粋です。
もし遺伝子検査で自分ががんやアルツハイマー病になるリスクが高いことが分かるとしたら、あなたは検査を受けますか――。そうした検査が利用しやすくなるにつれて、イエスと答える人がどんどん増えている。その結果、保険業界が頭痛の種を抱えている。
米カリフォルニア州の23アンドミーという遺伝子検査会社は、2007年以降、およそ4000リットルの唾液を集め、家系や健康リスク、子孫に受け継ぐ可能性がある特性について約200万人に情報を与えてきた。同社は今年4月、規制当局から、遅発性アルツハイマー病やパーキンソン病など10種類の病気と遺伝子疾患に関係したリスク要因についてスクリーニング検査を実施する承認を得た。この裁定により、ほかの会社が堰(せき)を切って消費者に直接サービスを販売するようになる可能性がある。
「情報は力だ」。遺伝子検査を受ける多くの人はそう主張する。だが、保険会社はそうした情報に対する平等なアクセスがなければ、抜け目のない顧客に出し抜かれると心配している。
他方、消費者団体は、もし保険の引受会社が実際にそうした情報にアクセスできるとしたら、「悪い」遺伝子を持った人が不当に保険に入れない状況に追い込まれる恐れがあると危惧している。いずれにしても、科学の進歩は保険を大きく揺るがす公算が大きい。
これ以上はPremium 会員限定記事ですので読めませんでしたが、遺伝子検査と生命保険の関係は非常に難しいと思います。
乳癌と卵巣癌の発生が高くなるとされる遺伝子「BRCA1」に変異があり「乳癌になる可能性の確率が87%」だと診断されたとして、アンジェリーナ・ジョリー氏が乳癌予防のために両乳腺を切除する手術を受けたことはとても有名です。
また、ApoE4という遺伝子多型を持つヒトではアルツハイマー病になるリスクが他の遺伝子型ぼヒトよりも高いこともわかっています。
これらの情報を知ったヒトが自分の遺伝子情報を隠して生命保険にどんどん加入したら、保険会社は倒産する可能性が高いです。逆に、保険会社がこれらの情報にアクセスできるようになれば、保険会社による加入者の選別・差別につながります。
今のところは、「個人情報の保護」に守られた加入者の「一人勝ち」状態ですが、保険会社も何らかの手を打たざるを得ない状況だと思います。例えば、保険会社が遺伝子検査の費用を負担してその情報を加入者と共有し、その上で契約を結ぶ、契約を結ばない場合は検査費用は加入予定者が負担するとか、、、契約を結ばない場合、その情報はどうなるとか、、、難しいです。
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