高リスク高血圧患者では、収縮期血圧120mmHg未満が降圧目標になるかもしれません

降圧目標が変わる! AHA2015でSPRINT試験発表:SBP 120mmHg未満目標群でイベント25%,総死亡27%の減少
以下は、記事の抜粋です。


降圧目標緩和の流れにあった最近の高血圧管理の在り方を一変させるランドマークスタディとして,待望されていたSystolic Blood Pressure Intervention Trial(SPRINT)の結果全容が明らかになった。

Tulane大学教授のPaul K. Whelton氏が米国心臓協会学術集会で発表したところによると,50歳以上の高リスク高血圧患者9,000例超において,収縮期血圧120mmHg未満を目指した厳格降圧群では140mmHg未満を目指した標準降圧群に比べて,心血管イベント25%,総死亡27%の有意なリスク減少が明らかになったという。

世界の高血圧診療ガイドラインにも大きなインパクトを及ぼすことになりそうだ。なお,同試験の結果はN Engl J Med 2015年11月9日オンライン版に同時掲載された。


元論文のタイトルは、”A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control”です(論文をみる)。

収縮期血圧だけを調べる非常に大胆な試験で、これほどはっきりとした差が出たのは驚きです。このSPRINT試験では、厳格降圧群における主要評価項目(各種心血管疾患+心血管疾患死)の改善の差が早期に現れたため、試験終了が予定より1年早く切り上げられたそうです。

一方で、関連記事に紹介したように、最近はアメリカでも日本でも降圧目標は緩和される傾向こうにありました。今後の動きに注目したいと思います。

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