なぜトランプ氏は科学的根拠なき主張をするのか?

なぜトランプ氏は「タイレノールが自閉症の原因」と発言したのか?専門家報酬、訴訟、SNS…科学的根拠なき主張の裏側を徹底解剖
以下は、記事の抜粋です。


信頼できる科学的証拠が乏しく、医学界の総意とも異なる主張を、なぜトランプ氏はこれほど強く推し進めるのでしょうか。その答えは、彼の個人的な信条と政治スタイルにありそうです。

報道によれば、この問題はトランプ氏にとって「個人的な関心ごと」であり、彼は以前から自閉症やワクチンに対して、科学的コンセンサスとは異なる強い持論を持っていたことで知られています7)。そして、今回、保健福祉長官に任命されたロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、長年にわたりワクチンと自閉症の関連を主張してきた、反ワクチン運動の最も著名な活動家の一人です。この人選自体が、政権の方向性を物語っています。

つまり、今回の発言は、特定の科学論文を客観的に評価した結果というよりも、トランプ氏とケネディ氏が共有する「既存の医療や科学の権威に対する不信感」という世界観の表れと見るのが自然でしょう。彼らの言動は、科学的データよりも個人の信念や逸話を重視し、複雑な問題を単純な「敵」と「味方」の構図に落とし込むことで支持者からの共感を呼ぶ、という政治戦略の一環なのです。このような単純化は、このSNS時代に共感を呼びやすいことをよく理解したうえでやっていると思います。

結論として、タイレノールに関するトランプ政権の警告は、司法に退けられた「専門家」の意見を根拠とし、文脈を無視したSNS情報を利用して増幅され、医学界の明確な反対を押し切る形で行われました。この一件は、科学的真実が、個人の強い信念や政治的思惑によっていかに歪められ、公衆の健康をいたずらに危険にさらしうるかを示す、象徴的な事例といえるのではないでしょうか。


今アメリカでは、企業の気候変動、銃規制、人種平等、LGBTQなど性的平等、性的暴力廃絶などへの取り組みも「Woke」と揶揄され、グローバル化に反対し知的権威やエリート主義に対して懐疑的な立場をとる「反知性主義(Anti-intellectualism)」や「反ウォーク(Anti-woke)」が幅をきかせ、残念ですがそういう流れが主流になっているようにみえます。

トランプは、この「主流」の流れに乗って支持層を固めるために「タイレノールが自閉症の原因」や「反ワクチン」の旗振りをしているのでしょう。

日本でもグローバル化に反対する「反ワクチン」の残念な政党が躍進しました。できれば、「反知性」が主流にはならないで欲しいと思います。

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