新規作用機序の高コレステロール薬「ネクセトール錠180mg」
まったく知らない新薬が出ました。自分用のメモです。
本剤は、スタチンの効果が不十分な患者やスタチン不耐となった患者の治療選択肢として期待されています。
<効能・効果>:高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の適応で、2025年9月19日に製造販売承認を取得しました。
<用法・用量>:通常、成人にはベムペド酸として180mgを1日1回経口投与します。なお、HMG-CoA還元酵素阻害薬による治療が適さない場合を除き、HMG-CoA還元酵素阻害薬と併用します。
<安全性>:副作用として、高尿酸血症(5%以上)、痛風、肝機能異常、肝機能検査値上昇(いずれも1~5%未満)、AST上昇、ALT上昇、四肢痛(いずれも1%未満)があります。
なお、本剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬を併用すると、HMG-CoA還元酵素阻害薬の血中濃度が上昇するので、横紋筋融解症などの副作用が現れる恐れがあります。
ベムペド酸(bempedoic acid)は、肝臓でクエン酸をアセチルCoAに変換するアデノシン三リン酸クエン酸リアーゼ(ACL)を阻害することで、肝臓におけるアセチルCoAの新規合成を抑制し、スタチンの作用点よりも上流でコレステロールの生合成経路を阻害してLDL-Cを低下させます。ベムペド酸は肝臓に高発現するACSVL1によって活性化されるプロドラッグです。ACSVL1は、主に肝臓に発現し、筋肉への発現がないことから、スタチンのように筋症状が出現しない点が特徴だそうです。
スタチン効果不十分/不耐には、注射薬である抗PCSK9抗体薬が使用されています。PCSK9 はLDL受容体の分解を促進するタンパク質です。スタチンは、PCSK9⾎中濃度を増加させるため効果が頭打ちになるとされる。抗PCSK9抗体は、PCSK9を阻害して肝細胞のLDL受容体を増加させることで、スタチンとの併⽤においても⾎中LDL-C を強⼒に低下させ⼼⾎管疾患発症を抑制するとされています。
エゼチミブ(商品名:ゼチーア)も、食事性・胆汁性のコレステロールが小腸から体内に吸収されるのを阻害してLDL-Cを低下させ、スタチン効果不十分/不耐の場合にスタチンに追加して使われます。
下図をみると、かなり上流で止めています。副作用が気になります。



コメント