虚血性イベントの再発リスクが高い患者の維持療法において、クロピドグレル単剤療法はアスピリン単剤療法よりも優れている

PCI後DAPT例の維持療法、クロピドグレルvs.アスピリン/Lancet
これは重要な結果だと思います。自分用のメモです。以下は、記事の抜粋です。


経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に標準的な期間の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を完了した、虚血性イベントの再発リスクが高い患者の維持療法において、アスピリン単剤療法と比較してクロピドグレル単剤療法は、3年時の主要有害心・脳血管イベント(MACCE)が少なく、なかでも心筋梗塞のリスクが有意に減少し、出血の発生率は両群で差がなく、上部消化管イベントのリスクはクロピドグレル群で低いことが、韓国・Sungkyunkwan UniversityのKi Hong Choi氏らが実施した「SMART-CHOICE 3試験」で示された。

年齢19歳以上、PCI後に標準的な期間のDAPTを完了し、虚血性イベントの再発リスクが高い患者(心筋梗塞の既往歴がある、糖尿病で薬物療法を受けている、複雑な冠動脈病変を有する)を対象とした。被験者を、クロピドグレル(75mg、1日1回)またはアスピリン(100mg、1日1回)を経口投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。

主要エンドポイントは、MACCE(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合)の累積発生率とした。

MACCE(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合)の推定3年発生率:4.4%vs.6.6%
5,506例を登録し、クロピドグレル群に2,752例、アスピリン群に2,754例を割り付けた。全体の年齢中央値は65.0歳(58.0~73.0)、1,002例(18.2%)が女性であった。2,247例(40.8%)が糖尿病(2,089例[37.9%]が糖尿病の薬物療法を受けていた)で、2,552例(46.3%)が急性心筋梗塞でPCIを受けていた。

追跡期間中央値2.3年の時点で、MACCEはアスピリン群で128例に発生し、推定3年発生率は6.6%であったのに対し、クロピドグレル群では92例、4.4%と有意に少なかった。

MACCEの個々の項目の推定3年発生率は、全死因死亡がクロピドグレル群2.4%、アスピリン群4.0%、心筋梗塞がそれぞれ1.0%および2.2%、脳卒中が1.3%および1.3%であった。

大出血の発生率にも差はない
出血(クロピドグレル群3.0%vs.アスピリン群3.0%)、大出血(1.6%vs.1.3%)のリスクは両群で差はなかった。

上部消化管イベント(クロピドグレル群2.8%vs.アスピリン群4.9%)および有害な臨床イベント(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、大出血の複合)(5.4%vs.7.3%)はクロピドグレル群で少なく、血行再建術(4.2%vs.4.5%)の頻度は両群で同程度だった。

著者は、「これらの患者において、クロピドグレル単剤療法は、出血を増加させずに全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合リスクの低下をもたらしたことから、長期維持療法としてアスピリン単剤療法に代わる好ましい選択肢と考えられる」としている。

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