「バケツに食塩水」でシカの繁殖減らす?

「バケツに食塩水」でシカの繁殖減らす なぜメスだけ寄ってくる?
以下は、記事の抜粋です。


食塩水を飲みに来たメスのニホンジカ

農林業に大きな被害をもたらすニホンジカ。その数を減らす新たな方法を森林総合研究所九州支所(熊本市)が編み出した。といっても、わなの近くに食塩水を入れたバケツを置いておくだけのシンプルな手法。これで、ほぼメスだけを効率よくおびき寄せ、繁殖を減らすことができるという。

かねて鉄道関係者の間では、シカがレールをなめに来ることが知られていた。また、シカ猟の季節、昔は猟師が自分の小便で泥団子をぬらし、シカをおびき寄せていたという。

ミネラルを補給しようとしているらしいシカのこの性質に九州支所の研究グループは着目。2022年6月下旬、鹿児島県境に近い熊本県水俣市の県有林で実験を始めた。

食塩水を入れたバケツと水だけを入れたバケツを6個ずつ、けもの道近くに置いてカメラで自動撮影。11月半ばの実験終了までに、シカは69回食塩水を飲みに来たのに対し、水を飲みに来たのは10回にとどまった。食塩水69回の内訳はメスが66回、オスが3回だった。


同じ内容を森林総合研究所が2024年10月29日に以下のようにプレスリリースしています。
塩水でメスジカを引き寄せる —メスの集中捕獲を目指して—
以下は、その「背景」と「今後の展開」からの抜粋です。


背景:メスはオスに比べてナトリウムが不足しがちです。その主たる原因は牛乳よりもナトリウム濃度の高いシカの乳にあります。授乳中のメスは乳を生成するために、大量のナトリウムを摂取する必要があると考えられます。そこで私たちは、食塩(塩化ナトリウム)を「エサ」として授乳期にあるメスを誘引できるのではないかと仮説をたて、検証しました。

今後の展開:これは、わなを使ってメスを選択的に捕獲できる可能性があることを示す非常に重要な知見になります。メスの捕獲はシカの増加率の低下を通じて個体数を効率的に減らすことに繋がるため、これまで苦戦を強いられてきたシカの個体数管理に大きく貢献する可能性を持っています。また、本手法は経済的にも労力的にも実施しやすいという利点もあります。今後は日本各地で同様の効果があるのかを確かめる必要があります。さらに、この手法を利用したメスの選択的な捕獲を実証することが次の課題です。


実際に塩水を飲みに来たメスジカを捕獲したら、警戒して飲みに来なくなる可能性があります。日本各地で同じような実験をするよりも、メスをどんどん捕獲してその効果を確認する必要があると思います。

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