緊急避妊薬 “深刻な副作用が?” SNSの根拠ない情報に注意を
以下は、記事の抜粋です。
意図しない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」が、2月から薬局やドラッグストアで購入できるようになりました。医師の処方箋なしで、年齢制限なしに購入できます。その後、3月9日からは「レソエル72」の販売も始まっています。
アフターピルとも呼ばれ、適切に避妊ができなかったときや、性暴力の被害があった場合などに、意図しない妊娠を防ぐものです。
性行為から72時間以内に服用すれば、排卵を抑えたり、受精が妨げられたりすることなどによって、80%以上の確率で妊娠を防ぐことができるとされています。購入できる年齢に制限はなく、親やパートナーの同意は必要ありませんが、店舗での対面販売に限られます。
服用が早いほど効果が高く、なりすましの購入や薬の乱用を防ぐ狙いもあり、その場で服用することになっています。適切に避妊できなかったときなどに服用して妊娠を防ぐための薬で、性行為の前に服用する薬ではなく、中絶のための薬でもありません。
ところが、この緊急避妊薬について、SNSでは不安や危険をあおったり、まったく関連がないのに外国人の増加と結び付けたりする、根拠のない情報が広がっています。こうした投稿では、「子どもは副作用がより深刻になる」とか「妊娠できなくなる」などといった根拠のない内容が含まれていました。また、「血栓ができやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクがある」など根拠のない投稿が2万回以上見られていました。これらは専門家や公的機関から明確に否定されている情報です。
WHOは緊急避妊薬の安全性に関するファクトシートで、「深刻な副作用や持続的な副作用はない」としています。その後の妊娠への影響についても「将来の妊娠に影響はない。緊急避妊薬は数日以内に体内からなくなり、その後の性行為で妊娠は可能だ」としています。
さらに、年齢の若い女性が服用することについて、WHOは「思春期を含むすべての女性が安全に使用することができる。30年以上にわたって生殖年齢の女性を対象に広く研究されてきた」としています。
厚生労働省によりますと、緊急避妊薬「ノルレボ」について13歳が服用したケースの報告もありますが、安全性の懸念は認められていないということです。
さらに、インスタグラムやXなどのSNSでは、緊急避妊薬が薬局などで手に入るようになった経緯について、近年の外国人の増加に結び付けて、不安をあおる投稿も多く見られています。「性犯罪が増えるため、緊急避妊薬が導入された」などとする根拠のない投稿が拡散され、なかには2000万回以上、表示されたXの投稿もありました。
こうした投稿は、緊急避妊薬が薬局で販売されるようになった経緯とはまったく関係がない、根拠のない情報です。
厚生労働省の担当課によりますと、「外国人が増えていることと緊急避妊薬の承認には関連性がまったくなく、検討事項にあがったこともない」ということです。
緊急避妊薬に関するフェイク情報は、誰が発信しているのか。NHKは、緊急避妊薬に関する根拠のない情報を投稿していた27のインスタグラムのアカウントを調べました。
サプリメントの紹介や「腸活」「解毒」など体質改善をうたうアカウントが多く、16のアカウントでは、ダイレクトメッセージやLINEなどで個別のやりとりに誘導していました。LINEでやりとりを進めてみると、サプリメントなどの商品の購入や健康相談のカウンセリングを勧められるケースが複数ありました。
これらのアカウントの多くは、これまでにもインフルエンザのワクチンなどについて、不安をあおる動画や科学的根拠のない情報などを発信していました。
日本では、「紅麹」のような科学的根拠に乏しい危険な健康食品やサプリが野放しに販売されいる一方で、緊急避妊薬のように科学的根拠のある薬物への攻撃も多いです。これらから身を守るために正しい医学や健康についての知識を学習してください。


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