太古の火星に広大な海 NASAが発表
以下は、記事の抜粋です。
米航空宇宙局(NASA)は3月5日、43億年前の火星には広大な海が広がっていたという推定を発表した。研究結果は米科学誌「Science」に掲載される。
43億年前に存在していた水量は少なくとも2000万立方キロ。低地となっている火星の北半球に広がり、惑星の表面積のうち19%を占めていたという。地球表面の17%を覆う大西洋に匹敵する大きさで、場所によっては深さ1万6000メートルに達したという。水はその後87%が蒸発し、残りは両極の氷として存在している。
推定はヨーロッパ南天天文台とケック天文台、NASAの赤外線観測施設による観測結果から得た。火星表面の水(H2O)と重水(HDO)の比率や45億年前の火星由来の隕石を調べるなどし、太古に存在した水の量を推定した。
元論文のタイトルは、”Strong water isotopic anomalies in the martian atmosphere: Probing current and ancient reservoirs”です(論文をみる)。NASAの研究を紹介する動画もあります(動画をみる)。
地球ができたのが約46億年前ですので、火星もほぼ同時にできたとすると、惑星ができる時には水が発生する可能性が比較的高いが、それが長年にわたって保持される確率は低いということだと思います。地球誕生時の状況と同じだとすると「海」といっても今のように塩辛いものではなく、塩酸を含む酸性の巨大な水たまりだったと思われるので、論文では”reservoir”と書かれているのでしょう。
このような「海」で生命が生まれた可能性は低く、高等生物まで発達した可能性はもっともっと低いでしょう。やはり、地球は奇跡の星だと思います。
火星の「海」のイメージ図(NASA)
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