血中ビタミンD濃度が高い患者は大腸がんを発症するリスクが低い

ビタミンDは免疫能を高めて結腸直腸がんから身を守る
以下は、記事の抜粋です。


研究チームは、看護師健康調査と健康のプロフェッショナル追跡調査に参加した、17万人のデータを利用した。この中から、318名の結腸直腸がん患者と、がんの無い624名を慎重に選択し比較した。参加者ががんを発症する前に、この942名の血液サンプルを1990年代に採取した。その後、ビタミンDから肝臓で産生される物質である25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)をテストした。

その結果、25-(OH)Dの量が多い患者は、免疫系細胞で富化された結腸直腸腫瘍を発症するリスクが平均よりも低かった。


元論文のタイトルは、”Plasma 25-hydroxyvitamin D and colorectal cancer risk according to tumour immunity status”です(論文をみる)。

同じ研究グループが転移性大腸がんでも血中ビタミンD濃度と生存の関係を調べており、「血中ビタミンD濃度が高いほど生存は良好」という結果を得ているようです(記事をみる)。

以上のことから、「血中ビタミンD濃度が高い患者は大腸がんを発症するリスクが低く、転移性大腸がん患者ではビタミンDが不足していることが多いが、血中濃度が高い転移性大腸がん患者は生存が良好」だと結論しています。

転移性大腸癌患者を対象に、FOLFOX+ベバシズマブにビタミンDを追加するランダム化フェーズ2試験が現在進行しているそうです。ビタミンDサプリが大腸がんの予防や治療に有効かどうかは、まだわかりません。むやみに飲まないようにしてください。

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