兵庫県知事選で22市長が稲村和美氏支持を表明するも落選　法的責任は？

兵庫県知事選で県内22市長が稲村和美氏支持を表明するも落選　法的責任は？
以下は、記事の抜粋です。

兵庫県知事選は斎藤元彦前知事が返り咲きを果たしました。一方、落選した稲村和美氏を巡っては、市長会有志による投票3日前の異例の支持表明が改めて問題視されることでしょう。県内22人の市長が稲村氏支持を表明した上、うち7市長が県庁で記者会見を開いたというものです。この件を巡る法的責任について、参考となる記事をまとめました。

公職選挙法では公務員の地位を利用した選挙運動が禁止されています。違反したら最高で禁錮2年、罰金だと30万円以下に処されます。22市長らも刑事告発されることが予想されます。

その場合、「地位を利用」すなわち市長の権限に基づく影響力や便益を利用するなど、職務上の地位がその行為と結びついているといえるか否か、また、「選挙運動」すなわち稲村氏の当選に向けた票集めとして、直接・間接に必要で有利な行為といえるか否かが捜査の焦点となります。

県選管はそれらにはあたらないと述べていますが、行政解釈にすぎないので、もし刑事告発されたら、検察において改めて違法性の有無を検討する必要があります。

たとえ不起訴になっても、検察審査会に審査を申し立てられることでしょう。市長らは県政の混乱を収束したいと述べていましたが、法的責任とは別に彼らの政治責任を問う声もあり、かえって混乱の様相を呈する結果となりそうです。

私は、県内22人の市長が稲村氏支持を表明したというニュースをみた時に違和感を感じましたが、県選管が公選法違法にはあたらないとしたという記載をみて、納得して終わっていました。

22人の中の伊丹市の藤原保幸市長と宝塚市の山崎晴恵市長が、知事選に勝利した斎藤氏の事務所に祝福に訪れていたとする記事もあります（記事をみる）。君子豹変ですかね。

兵庫県庁で、蓬莱務・小野市長の呼びかけで県内22市長が元尼崎市長である稲村和美氏の支持を表明する記者会見を開催。記者会見には蓬莱小野市長のほか、丹波篠山市の酒井隆明市長、川西市の越田謙治郎市長、尼崎市の松本真市長ら７市長が出席した。稲村氏支持を表明したのはほかに、清元秀泰・姫路市長▽松本真・尼崎市長▽石井登志郎・西宮市長▽上崎勝規・洲本市長▽藤原保幸・伊丹市長▽谷口芳紀・相生市長▽岡田康裕・加古川市長▽山本実・たつの市長▽牟礼正稔・赤穂市長▽山崎晴恵・宝塚市長▽仲田一彦・三木市長▽都倉達殊・高砂市長▽越田謙治郎・川西市長▽高橋晴彦・加西市長▽林時彦・丹波市長▽守本憲弘・南あわじ市長▽藤岡勇・朝来市長▽門康彦・淡路市長▽福元晶三・宍粟市長▽岩根正・加東市長。