鶏の生食によるカンピロバクター食中毒に注意しましょう
最近、鶏の生肉を食べてカンピロバクター食中毒を経験したヒトに会ったので、自分のメモとして調べてみたところ、この堺市の記事が一番良いと思ったので、以下に紹介します。
知っていますか?カンピロバクター
カンピロバクター属菌は、近年食中毒発生件数で非常に多く占める食中毒菌です。鶏の刺し身、タタキ、湯引きなど、生又は加熱不十分な鶏肉を原因とした食中毒が全国的に多発しています。
カンピロバクターってどんな菌?
●鶏、牛、豚などの家畜や、犬、猫など様々な動物の腸管にいる菌です。
●処理の過程で肉の表面に付着してしまうため、流通している生の鶏肉からも高い確率で検出されています!
●他の菌と比較して、少量の菌数でも食中毒を起こします。
どんな症状が出る?
●腹痛、下痢(まれに血便)、発熱(38度以下が多い)、頭痛などの症状が出ます。
●幼児、高齢者など、抵抗力の弱い人では、重症化することがあります。
●まれにギラン・バレー症候群(感染してから数週間後に、手足のしびれや顔面まひ、呼吸困難などが起こる)に進展し、後遺症が残ってしまう場合もあります。
原因となる食品は?
●鶏肉などの肉類が原因となります。特に、鶏の刺し身、タタキ、湯引きなど、生又は加熱不十分な鶏肉が原因となっています。少量の菌でも発症するため、鶏肉の鮮度とは関係ありません。 新鮮でも、菌が付着した鶏肉を生又は加熱不十分な状態で食べると発症します。
●手や調理器具を介してカンピロバクターを付けてしまうことで(二次汚染といいます)、そのまま食べるサラダや加熱済み食品が原因となる事例もあります。
どうやって予防する?
●中心部まで十分に加熱して食べる!目安は中心部で75度で1分間以上です。
●包丁、まな板、器具はしっかり洗い、消毒する。鶏肉を触った後には手をしっかり洗う。
鶏肉料理を扱う飲食店のみなさまへ
●加熱用や用途不明の鶏肉を生食用※に使用してはいけません!(※独自に生食用食鳥肉の衛生基準を定めている自治体もあります。)
●生や加熱不十分の鶏肉を提供し、食中毒事件として断定された場合、営業停止等の措置を受けることもあります。
良くできたマニュアルですが、1つだけ重要なことが抜けています。それは、鶏肉は調理前に洗ってはいけないことです。以下は、それを説明する記事とその抜粋です。
鶏肉は洗わないで!食中毒を起こす原因にも!?正しい処理方法は?
●シンクなどで鶏肉を洗うと、水しぶきによって食中毒を引き起こすカンピロバクターなどの細菌が、周囲に広がってしまいます。
●キッチンに拡散した細菌が他の食材や調理器具などに付着して、食中毒の原因になることがあります。
●水洗いでは鶏肉の表面にある細菌を完全に取り除くことはできず、逆に付着した細菌を拡散させることになります。そのため、鶏肉を洗うことは避けた方がオススメです。
ちなみに農林水産省も注意喚起しています。
以下は、治療とギランバレー症候群について、クリニックの記事からの抜粋です。ギランバレー症候群では、約60%の患者さんの血液中に、末梢神経の構成成分である糖脂質(特にガングリオシド)に対する抗体が確認される自己免疫疾患と考えられています。
カンピロバクター腸炎の治療
●カンピロバクター腸炎は下痢、38度を超す発熱、腹痛、嘔気、嘔吐、頭痛と症状は激しいのですが、下痢で失う水分補給を中心とした、安静、休腸、補液治療です。水分補給や食事療法など対症療法で軽快します。吐き気や腹痛がつよくて口から水分をとれない時、脱水が強いときは点滴による補液をおこないます。
●食事は状態が安定するまでは控え、おかゆなどの炭水化物を中心とした消化の良いものとします。
●重症の場合はマクロライド系抗菌薬やニューキノロン系抗菌薬が必要となることもあります。
●敗血症や重症化しなければカンピロバクター腸炎の多くは数日で軽快します。
ギランバレー症候群
●重症化しなければ、カンピロバクター腸炎はそれほど恐ろしい病気ではありません。対症療法にて数日で軽快します。
●非常に頻度は低いですが(0.1%)、手足や全身の力が入らなくなるギランバレー症候群が合併することがあります。ギランバレー症候群がおこりうるのはカンピロバクター腸炎にかかって数週間経ってからです。
コメント