ユニークで興味深い研究に贈られる第34回イグノーベル賞の全部門まとめ、日本人は18年連続30回目の受賞
イグノーベル賞は毎年楽しみにしています。平和賞、植物学賞、解剖学賞、医学賞、物理学賞、生理学賞、確率賞、化学賞、人口統計学賞、生物学賞の中から、今年は医学賞を紹介します。
医学賞はリーベン・シェンク氏、ターミン・フェダイ氏、クリスチャン・ビュッヘル氏の「痛みを伴う副作用を引き起こす偽薬は、痛みを伴う副作用を引き起こさない偽薬よりも効果的である可能性があることについて」に贈られました。
シェンク氏らの研究チームは77人の健康な参加者に「フェンタニル鼻腔スプレーを投与する」と伝えて投与する実験を行いました。しかし、実際にはプラセボスプレーが使用され、一方のグループには中性のスプレー、もう一方にはカプサイシンを含むスプレーが与えられました。カプサイシンは軽度の灼熱感を引き起こし、偽の副作用として機能しました。
実験の結果、偽の副作用を引き起こすプラセボスプレーの方が、副作用のないプラセボスプレーよりも効果的に痛みを軽減することが明らかになりました。これは参加者が灼熱感を副作用として期待し、それによってスプレーが効いていると思い込んだためと考えられます。この研究結果は、薬の副作用に対する従来の見方に再考を促し、軽度の副作用が実際には治療効果を高める重要な役割を果たす可能性があることを示唆しています。
記事では「薬学賞」と書かれていますが、下の写真のように”Medicine Prize”ですので「医学賞」として紹介しました。「良薬は口に苦し」という諺がありますが、「苦い薬の方が良く効く」ということでしょうか?
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