怒りの感情をぶちまけても効果なし

怒りの感情をぶちまけても効果なし
以下は、記事の抜粋です。


他人に不平や不満をぶつけるのは怒りを抑える効果的な方法ではないようだ。バージニア・コモンウェルス大学のSophie Kjaervik氏とBrad Bushman氏による研究で、怒りの要因を吐き出すことで、そのときは気持ちが晴れるかもしれないが、それによって怒りの感情が弱まるわけではなく、それよりも深呼吸やマインドフルネス、瞑想、ヨガなどのストレス低減法の方がはるかに効果的であることが示唆された。

Bushman氏は、「怒りの発散は良いアイデアのように思うかもしれないが、カタルシス理論を支持する科学的根拠は一つもない」と話している。カタルシス理論とは、ネガティブな感情やストレスの発散が心理的な安定やストレスの軽減につながるという考え方だ。

Kjaervik氏らは今回、総計1万189人の参加者を含む154件の研究を対象にメタ解析を実施し、サンドバッグを殴る・蹴ること、ジョギング、サイクリング、水泳を行うといった覚醒度を高める活動と、深呼吸や瞑想などの覚醒度を低下させる活動を比較した。その結果、さまざまな集団において、覚醒度を低下させる活動が怒りのコントロールに有効であることが示された。対照的に、覚醒度を高める活動は、全般的に怒りのコントロールには全く効果がないことが明らかになった。

ジョギングは怒りを増強させる可能性が最も高いことが示されたが、球技や体育の授業への参加は覚醒度を低下させる傾向が認められた。Kjaervik氏らは、「これらの結果は、運動に遊びの要素を取り入れることで、ポジティブな感情を高めたり、ネガティブな感情を打ち消したりすることができる可能性のあることを示唆している」と考察している。

Kjaervik氏は、今回の研究実施の背景には、最近の「レイジルーム(怒りの部屋)」の人気の高まりがあったと明かしている。レイジルームとは、怒りの感情に対処するためにコップや皿、電化製品などを破壊することができる施設だ。


元論文のタイトルは、”A meta-analytic review of anger management activities that increase or decrease arousal: What fuels or douses rage?(覚醒を増減させるアンガーマネジメント活動のメタ分析レビュー: 何が怒りを煽るのか、煽らないのか?)”です(論文をみる)。

運動はどれでも怒りを鎮めるのに役に立つのかと思っていましたが、遊びの要素がない運動は逆効果のようです。日本にも「レイジルーム(怒りの部屋)」ってあるのかな?と思ってググってみたら、東京にありました(HPをみる)。以下は、東京のrage roomの「BREAK ROOM」の動画です。

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