「機能性表示食品」や「特定保健用食品(トクホ)」には薬の臨床試験のようなエビデンスはない。

紅こうじなど「機能性表示食品」始まりは安倍政権の「経済成長戦略」 トクホより緩い規制、企業には便利
以下は、記事の抜粋です。


小林製薬の「紅こうじ」を巡る健康被害問題を受け、林官房長官は3月28日の記者会見で、機能性表示食品として届け出のあった全約6800製品について、事業者に対し健康被害の有無などの調査を求めたことを明らかにした。機能性表示食品制度は2015年、安倍首相(当時)が進めていた規制緩和による経済成長戦略の一つとして導入された。
臨床データ不要、国の審査もなし
機能性表示食品制度は、安倍政権だった13年6月の成長戦略で「健康食品の機能性を表示できる新方策」について記載され、導入が決まった。消費者庁に届け出れば、商品パッケージに機能性(効果)を表示できる。小林製薬の製品では「悪玉コレステロールを下げる」などと記していた。届け出には臨床試験データは必須でなく、機能性に関する文献なども認められる。国は文献の内容は審査しない。
「制度の欠陥があらわになった」
一方、それ以前からあった特定保健用食品(トクホ)は、国による審査と許可が必要。制度を導入した際の消費者庁の検討会にも参加した消費生活コンサルタントの森田満樹さんは、小林製薬の製品について「この制度があったから悪玉コレステロールを下げると効果を書いて売り出すことができ、たくさん売れた結果として被害が広がった」と話す。


この記事では、「機能性表示食品」と比べると「特定保健用食品(トクホ)」はマシだと書いています。しかし、どちらも臨床試験などの厳しい効果判定試験を経ずに効果をうたっています。薬が厚労省の管轄で厳しい効果判定基準(漢方やアビガンなど例外はあります)により審査されて初めて承認されるのに比べると、これらは消費者庁の管轄です。これらの「食品」が健康に良いとどこかで報告をされた物質(例えばビタミン)を含んでいると宣言し、認められた効果を謳って売ることができます。

EUでは、このような食品の”nutrition claim(どんな栄養成分を含んでいるかを謳う)”は、比較的容易に認められますが、”health claim(ヒトの健康にどのような効果があるかお謳う)”は、非常に厳しい審査を経て初めて認められます。EUでは、小林製薬の製品はおそらく1つも認められないでしょう。

しかし、1.政府は日本人の寿命は十分に長いと考えている。2.国民が健康保険で補助される薬を避けて健康食品に走ってくれれば、苦しい保険財政が助かる。などの理由から日本の政府はこれらの健康食品制度を改めるとは思えません。

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