オミクロンの次はどうなる? 新型コロナ「変異株」の現状

オミクロンの次はどうなる? 新型コロナ「変異株」の現状…WHOは10カ月命名せず、だがオミクロンの「第2世代」が続々と進化中
以下は、記事の抜粋です。


飛躍的に進化するオミクロン株の「第2世代」
出現からまだ1年にも満たないオミクロン株だが、新型コロナウイルスの進化にとっては大きな変化だった。2021年11月以降に世界で発生した新型コロナ感染例の半数以上は、オミクロン株の5つの亜系統、BA.1~5のいずれかが原因だった可能性が高い。

この数カ月の間に、オミクロン株BA.2系統は、BA.2.75、BA.2.10.4、BJ.1、BS.1などの亜系統を生み出した。なかには数十の新たな変異をもつものもあり、親株であるBA.2とは大きく異なっている。そこで研究者たちは、こうした変異株を「第2世代」変異株と呼んでいる。

第2世代変異株は、過去の変異株系統から飛躍的な進化を遂げている。インペリアル・カレッジ・ロンドンのトーマス・ピーコック氏によると、進化の大きさでみると、新たに感染が広がっているBA.2.75などの亜系統と元のオミクロン株との違いは、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ株と起源株(最初に流行した株)との違いよりも大きい。初期の変異株における変異は、オミクロン株とその亜系統における変異に比べるとささいな違いに見えてしまう、とピーコック氏は言う。

コロナとの共存に必要なこと
今のところ、多くの国ではBA.5またはBA.2.75が主流となっている。どちらも過去にワクチン接種や過去の感染で獲得した免疫をすり抜ける能力があるが、現行のワクチンにも一定の効果がある。

「進化が続いていることは明らかです」と、WHO新興感染症共同研究センターのクープマンズ氏は言う。これは、ウイルスの大規模な流行が続きながら、より多くの人が免疫を獲得している場合に予測される状況だ。「ですから、今後も免疫を逃避する変異株は確実に出現するでしょう」

ピーコック氏は、「こうした新しい亜系統の一部は遺伝的な特徴が際立っているので、これらをオミクロン株と見なすことが妥当なのかどうか、判断が難しいのです」と話す。

だが、WHOの専門チームの見解は異なる。「ある変異株や亜系統が、他のオミクロン株の変異株や亜系統と著しく差があると判断された場合には、新しい名称をつけることになっています」と、バン・カーコフ氏は言う。「しかし現時点では、すべての亜系統はオミクロン株と見なされています。」

新たに出現したオミクロン株の亜系統が他のものより深刻な影響を及ぼすことを確実に示すヒトでのデータはないので、公衆衛生に関する勧告に変更はない、とWHOウイルス進化諮問グループのアグラワル氏も話している。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、新たな変異株が出現する機会を減らすには、早めの診断や、早期の医療ケア、可能な治療手段の適切な活用、およびワクチン接種が必要だとWHOで新型コロナ対策を率いる疫学者マリア・バン・カーコフ氏は指摘する。


バン・カーコフ氏が指摘しているように、新型コロナウイルスと共存するには、「距離を保つ、マスクを着用する、換気をする、手を洗う、体調が悪い時には外出しない」などの一般市民の行動と「早めの診断や、早期の医療ケア、可能な治療手段の適切な活用、およびワクチン接種」という医療側の対応が必要です。それも、1つの国だけではなく世界中でやらなければ新型コロナとの戦いに勝つことはできません。できるかなあ?

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