危険だから絶対にやめて?薬と食べ物のNG組み合わせ8つ

危険だから絶対にやめて!薬と食べ物のNG組み合わせ8つ【前編】
危険だから絶対にやめて!薬と食べ物のNG組み合わせ8つ【後編】

以下は、記事の抜粋と私のコメントです。


ボディキープや美肌のために積極的にとりたいフルーツや野菜。ですが、薬を飲んでいる時は、食べ物の成分が逆効果になることもあります。そんな食べ物と薬の食べ合わせを、フードコーディネーターの南恵子さんに教えていただきました。

1:アボカド×抗うつ薬

手軽に食べられるアボカドも、「アボカドなどに含まれるチラミンは、ある種の抗うつ薬(MAO阻害薬)を服用中に多量に食べると、頭痛や血圧があがる場合があります。他にもチーズや鶏レバーも注意が必要です」と南さん。

Re:「食品中のチラミン(tyramine)含有量」によると、アボカドに含まれるチラミン量はチーズよりもかなり少ないです。また現在日本では、MAO阻害薬は、パーキンソン病治療薬としてのみ使われ、抗うつ薬としてはほとんど使われません。

2:納豆・緑黄色野菜×抗凝固薬

納豆や緑黄色野菜に豊富に含まれるビタミンK。「健血液を固まりにくくする抗凝固薬ワルファリンの働きを弱めてしまいます。納豆以外にも、青汁やクロレラ、ホウレンソウ等、ビタミンKの含有量が多い野菜や飲料は、ワルファリンを飲んでいる期間は摂取量に注意が必要です」

Re:上記の内容は正しいですが、最近はダビガトラン(プラザキサ®)のように、納豆を食べても大丈夫な抗凝固薬がでてきました(記事をみる)。

3:グレープフルーツ×高血圧治療薬

グレープフルーツはダイエットにも役立つ成分が含まれているといわれる果物。「グレープフルーツは、高血圧や狭心症などの治療薬であるカルシウム拮抗剤の作用を増強させてしまいます」と南さんはいいます。もちろん、グレープフルーツジュースも同様です。

Re:カルシウム拮抗薬とグレープフルーツジュースとの相互作用の強さはカルシウム拮抗薬の種類によって大きく異なります(記事をみる)。また、高血圧に対して最も頻繁に処方されるカルシウム拮抗薬であるアムロジピンの場合、その血中濃度はグレープフルーツジュースによってほとんど影響を受けないとされています。しかし、グレープフルーツジュース摂取によってアムロジピンの血中濃度が上昇し、血圧が低下したと疑われる報告があるため、併用注意になっています。従って、アムロジピンを誤ってグレープフルーツと併用した程度ではあまり心配することはないと思います。

4:牛乳×骨粗鬆症の治療薬

牛乳を欠かさず飲んでいるという人は多いですが、気を付けた方がいいようです。「牛乳は、抗性剤や骨粗鬆症の治療薬を服用している人には要注意。同時に飲むと牛乳に含まれるカルシウムと薬が結合し、薬の効果を弱めることがあります」

Re:骨粗鬆症の治療薬とはいわゆるビスホスホネート剤です。これはカルシウムとの親和性が高いので、牛乳だけではなくミネラルウォーターでもだめです。
このような食べ合わせには、個人差があるため一概には言えない部分もあり、相互作用の心配のある薬物の種類、その副作用の症状と程度を考慮すれば、食べても大丈夫ということもあります。しかし、よく使う薬と食べ物の相性はあらかじめちゃんと知っておいて、正しく服用しましょう。

5:コーヒー・紅茶・緑茶×痛風治療薬

コーヒーや紅茶、緑茶に多く含まれるカフェインは、尿酸の排泄を妨害する働きがあるので、痛風治療薬の働きを妨害する可能性があるとか。また血液凝固防止薬、狭心症、心筋梗塞の治療薬の作用を弱めたり、テオフィリン、テオドールなどの気管支拡張剤の副作用(不眠、イライラ)が強くなることがあります。

Re:上記のように、カフェインはアロプリノール(ザイロリック®)の抗高尿酸血症作用に拮抗するため、ある程度摂取を制限する必要があります。しかし、興味深いことに、カフェイン摂取は痛風リスクを減らすことが知られています。

6:ビール・コーラなどの炭酸飲料×解熱鎮痛剤

風邪の時など幅広く用いられる解熱鎮痛剤ですが、「炭酸ガスによって、解熱鎮痛剤の吸収が低下し、効き目が低くなることもあります」とのこと。

Re:上記の説明は誤解を招くと思います。低pHで吸収が低下するのはアスピリンで、脳梗塞の予防などに用いられますが風邪には用いられません。多くの風邪薬に入っている解熱薬のアセトアミノフェンは炭酸飲料で飲んでも問題ありません。

7:アルコール×睡眠薬

「ハルシオンなどの睡眠薬とアルコールが体内で混ざると、薬効が強くなり、記憶障害などの副作用を起こす可能性があります」と南さん。飲み会の後や食事中のアルコールにも注意!

Re:アルコール物は睡眠薬だけではなく、グリセオフルビン、アセトアミノフェン、トルブタミド、フェニトン、クロルプロマジン、ワーファリン、イミプラミンなどと相互作用を示すので、原則としてアルコール飲料で薬を飲むのは止めるべきです。

8:セントジョーンズワート×ピル

「リラックス効果や抗うつ作用があることから、ハーブティーやサプリメントとして知られているハーブのセントジョーンズワートですが、経口避妊薬や免疫抑制剤、てんかんや不整脈などの薬と飲むと、薬が効きにくくなります」また、抗うつ薬のセロトニン取込阻害剤の薬剤とは、作用が増強され、副作用が現れやすくなる事があるとのことです。

Re:ハーブのことはまったく知らないのですが、WikiによるとCYP3A4を誘導することで、ジゴキシンやシクロスポリンと相互作用を示すそうです。ただ、本当に臨床的効果があるかどうかは怪しいと思います。

いかがでしたか? 意外と知られていないものが多かったですね。南さんによると、「このように危険性がはっきり分かっているものは、食品を避けるか、あるいは2時間程度ずらすなどの注意が必要」とのことです。また、食べ合わせは個人差が大きく、影響を受けやすい人がいたり、摂取のタイミング・量などを考慮する必要があるとのこと。薬を飲む際には、医師によく注意を聞くようにしましょう。

コメント

  1. hiro より:

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    一応薬学では、薬物動態でよく出てきます。
    どれほどの効果があるかわかりませんが、健康被害があったようなことを聞きました。

  2. tak より:

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    >hiroさん
    コメントありがとうございます。ご指摘により、記載を変更しました。

  3. DSG より:

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    「低pHで吸収が低下するのはアスピリンで・・・」
    逆と違いますか?
    低pHでアスピリンの吸収は増加するのでは?

  4. tak より:

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    >DSGさん
    アスピリンは化学物質としては、アセチルサリチル酸という酸性の物質なので、低pHでは溶解度が落ちて吸収されにくくなります。

  5. 薬学A子 より:

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    薬学生ですが質問です。アスピリンが酸性だから低pHだと吸収が悪いと書いてありますが、体内への吸収は分子形の方がいいと習ったのですが、それだと酸性のものは酸性条件の方が粘膜からの吸収がいいのではないでしょうか?テストが近いので勉強しています。ぜひ教えてください。

  6. tak より:

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    >薬学A子さん
    コメントありがとうございました。ネットで調べると、アスピリンについては、ご指摘のようにpHが低い方が吸収しやすいという記載と、炭酸飲料と一緒に飲むと吸収が悪いという記載の両方があります。メルクマニュアル(http://merckmanual.jp/mmpej/print/sec20/ch303/ch303b.html)には、「理論的には,弱酸性薬物(例,アスピリン)は弱塩基薬物(例,キニジン)より速やかに酸性のメディウム(胃内腔)から吸収される。」と書かれています。これから考えて、試験ではpHが低い方が吸収が良いと書いて問題ないと思います。しかし、メルクマニュアルには、「しかしながら,小腸は表面積が大きく膜透過性も高いので,薬物が酸性,塩基性にかかわらず,大部分の吸収は小腸で起きる。」とも書かれています。また、バイアスピリンは腸溶剤ですので、胃での吸収はほとんど問題になりません。これで答えになっているでしょうか?

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