電子タバコは紙巻きタバコの禁煙には役立たない
以下は、記事の抜粋です。
紙巻きタバコをやめる目的で電子タバコに切り替えても、禁煙方法としては有効ではないとする研究結果が報告された。紙巻きタバコの使用をやめてから1年間での喫煙再開のリスクは、電子タバコなどのタバコ製品に切り替えた人の方が、タバコ製品の使用を完全にやめていた人に比べて高かったという。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のPierce氏らは、タバコ製品の使用と健康に関する米国の全国的な調査(Population Assessment of Tobacco and Health Study;PATH)の参加者の中から、試験開始時には喫煙していたが、1年後の追跡時には紙巻きタバコをやめ、さらにその翌年の追跡調査も完了していた成人喫煙者1万3,604人を抽出。紙巻きタバコから他のタバコ製品へ切り替えた場合と、タバコ製品の使用をいっさいやめた場合とで、紙巻きタバコ喫煙の再開率を比べた。
最初の追跡時には、対象者の9.4%(1,228人)が、紙巻きタバコの喫煙をやめていた(平均年齢41.9歳、女性43.2%)。このうちの62.9%(769人)はタバコ製品をいっさい使用しておらず、37.1%(459人)は、紙巻きタバコの代わりに電子タバコを含むさまざまなタバコ製品を使用していた。紙巻きタバコから電子タバコに切り替えたのは22.8%(286人)で、17.6%(216人)は電子タバコを毎日使用していた。
2度目の追跡調査時の喫煙再開率は、紙巻きタバコの代わりに使用していたタバコ製品の種類に関わりなく同様であった。また、最初の追跡調査時にタバコ製品の使用を完全にやめていた人の50.5%は2回目の追跡調査時にも同じ状態を継続できており、禁煙に成功したと考えられた。これに対して、最初の追跡調査時に電子タバコを含むその他のタバコ製品に切り替えていた人で、禁煙に成功したとみなせる人の割合は、41.5%にとどまっていた。さらに、結果に影響を与える可能性がある因子を調整して解析すると、紙巻きタバコから電子タバコを含むその他のタバコ製品へ切り替えた人では、最初の追跡調査時にタバコ製品の使用を完全にやめていた人に比べて、喫煙再開リスクが8.5%高いことが明らかになった(57.8%対49.3%)。
Pierce氏は大学のニュースリリースで、「この研究は、紙巻きタバコからより害の少ないニコチン含有製品へ切り替えることで、禁煙を長期間、維持できるのかどうかを深く調べた初めてのものだ」と話す。そして、「電子タバコへの切り替えが禁煙のための有効な手段であるのなら、実際に電子タバコへ切り替えた人の喫煙再開率は、もっと低くなるはずだ。しかし、われわれの研究では、そのエビデンスは得られなかった」と述べている。
元論文のタイトルは、”Incidence of Cigarette Smoking Relapse Among Individuals Who Switched to e-Cigarettes or Other Tobacco Products(電子タバコや他のタバコ製品に切り替えた人の喫煙再発率の推移)”です(論文をみる)。
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