1回目AZ、2回目Pfizerワクチン接種で十分な免疫応答
以下は、記事の抜粋です。
初回にAstraZeneca製(AZ)ワクチンを接種した人に、2回目はPfizer/BioNTech製(PB)ワクチンを接種した結果、強固な免疫反応が誘導されたことが確認され、忍容性も良好であった。
研究グループは、スクリーニングの8~12週間前にAZワクチンによる1回目接種を受け、SARS-CoV-2感染歴のない18~60歳の成人を、PBワクチン0.3mL単回筋肉内投与群(介入群)または経過観察群(対照群)に2対1の割合で無作為に割り付けた。
主要評価項目は、14日目の免疫原性とし、SARS-CoV-2三量体スパイクタンパク質および受容体結合ドメイン(RBD)の免疫測定で評価した。抗体の機能は偽ウイルス中和アッセイを用いて、細胞性免疫反応はインターフェロン-γ免疫アッセイを用いて評価した。安全性の評価項目は7日目の反応原性とし、局所および全身の有害事象を評価した。
2021年4月24日~30日に、スペインの5つの大学病院で676例が登録された(介入群450例、対照群226例)。平均(±SD)年齢は44±9歳、女性が382例(57%)、男性が294例(43%)で、663例(98%)が14日間の試験を完遂した(介入群441例、対照群222例)。
介入群では、RBD抗体の幾何平均抗体価は、ベースラインの71.46 BAU/mL(95%信頼区間[CI]:59.84~85.33)から14日時には7,756.68 BAU/mL(7,371.53~8,161.96)に上昇した(p<0.0001)。
同様に、三量体スパイクタンパク質に対するIgGは、98.40 BAU/mL(95%CI:85.69~112.99)から3,684.87 BAU/mL(3,429.87~3,958.83)に増加した。介入群/対照群の比は、RBDで77.69(95%CI:59.57~101.32)、三量体スパイクタンパク質IgGで36.41(29.31~45.23)であった。
介入群で7日間に収集された有害事象1,771件のうち、ほとんどは軽度(1,210件、68%)または中等度(530件、30%)であった。主な有害事象は、局所反応が接種部位の疼痛(395例、88%)、硬結(159例、35%)、全身性の副反応が頭痛(199例、44%)、筋肉痛(194例、43%)、倦怠感(187例、42%)であった。
なお、著者は、臨床試験を計画した時点でスペインではChAdOx1-Sワクチンの使用が中止されていたため、2回目もChAdOx1-Sワクチンを接種する対照群を設定できていないことを研究の限界として挙げている。
元論文のタイトルは、”Immunogenicity and reactogenicity of BNT162b2 booster in ChAdOx1-S-primed participants (CombiVacS): a multicentre, open-label, randomised, controlled, phase 2 trial”です(論文をみる)。
日本ではアストラゼネカ製ワクチンが余っているようですので、(血栓などの副反応が報告されている若い女性を除いて)とりあえずアストラゼネカ製ワクチンを打って、2回目にファイザー製やモデルナ製を打つことも、何も打たないよりは公衆衛生的には正解だと思います。
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